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ヤスデは昆虫ではないって事、知ってましたか?実はロブスター、エビ、ザリガニの仲間です。ヤスデは英語で「millipede」といい、この言葉はラテン語で「1,000 本の足」という意味です。
今回はそんな【不快害虫】ヤスデのお話です。
ほとんどの種類では実際には計 100 本未満ですが、百足と書くムカデと違って各体節に2対ずつの足が生えています。世界には約 7,000 種のヤスデが存在し、そのうち 1,400 種が米国とカナダに生息しています。小さいヤスデは体長2.5cm未満ですが、 13cm以上に成長することもあります。
腐った落ち葉やマルチの下の湿った土壌は、ヤスデの主な生息地です。適切な湿潤条件を見つけられない限り、屋内では数日…もしかすると数時間しか生きられません。
ヤスデには、身を守ったり攻撃する為の針やはさみはありません。一部の種類では有毒な有毒液体であるシアン化水素を生成することがありますが、家や人にはほとんど無害です。
ヤスデは、食べ物や布地、木材を噛んだり、寄生したりすることはなく、人間を攻撃する事もありません。腐った植物を分解するため、益虫でもあります。ミミズと同じように、土壌や有機物の中をゆっくりと移動し、死んだ植物物質を分解して土壌を若返らせます。しかし、増えすぎると庭の苗木に被害を与えることもあります。
ヤスデは毎年春に土の中に卵を産みます。孵化した直後のヤスデには数対の足しかありません。ゲジゲジと同じように脱皮する度、新しい体節と脚が増えていきます。
ヤスデの寿命は種によって大きく異なりますが外来種の巨大アフリカヤスデはペットとして飼われることが多く、なんと、7年以上生きることもあります。暗闇で発光するヤスデもいます。
ヤスデを含む多くの害虫の侵入を減らすための最も効果的かつ長期的な対策は、過剰な湿気と隠れ場所を減らすことです。
地面に落ちている葉、刈り取った草、木の板、石、箱のような、隠れ場所となるものを取り除きます。自宅外壁の周りにタイルを敷いたりものを置く場合は、壁から15~30cm程離してください。水はけの良い砂利なども効果的です。
外壁、および玄関や窓の周囲の亀裂や開口部を封鎖します。すべての屋外玄関ドアに隙間テープを取り付け、ドアの敷居の外側の下端と側面に沿ってコーキングを塗布します。
庭園や植物周辺に、ヤスデやムカデ専用の市販の罠を設置します。こういった罠は湿った場所に効果的です。
家の中に殺虫剤を散布しても、実際にはヤスデの侵入を阻止することはできません。屋内では湿気不足ですぐに死んでしまいます。 殺虫剤を屋外で使用することで、ヤスデや他の害虫の内部への侵入を減らすことができます。
玄関沿い、通気口、その他窓の周りなど、室内に侵入可能な場所などに散布すると一時的に効果がある可能性があります。
一般にはヤスデは害虫と見なされていますが、典型的な【不快害虫】です。
見た目が不快なことや、踏むと異臭を発すること、寒冷地の森林で周期的に大量発生するオビババヤスデなどの群れが鉄道の線路上に這い出して列車の車輪で踏み潰されると、その体液により列車がスリップすることなどが理由に挙げられています。
ヤスデには毒はないのですが、数年に一度の大量発生で列車を止める事があります。大発生して汽車を止める事がある為、「キシャヤスデ」と名付けられた種類があるほどです。
2010年にはヤスデが原因での電車の脱線事故が起きています。
【参考】日本経済新聞 - ヤスデ大量発生で車輪空転、列車遅らす 鹿児島https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2101D_R21C10A1CC1000/
身の危険を感じた時、敵への威嚇として臭液を発する事があり、密封すると自らの臭液で死ぬ場合もあります。外敵に襲われた際は、ムカデと異なり積極的に顎で咬むことは無く、身体を丸めて自己防衛します。
住宅やその周辺で発生するヤスデは一部の種のみで、多くのヤスデは森林で生活しています。幼虫は主に森林の土中生活者で土壌耕転作用があるとされ、成虫も落葉分解に寄与しているとされるています。このように、土壌形成の上で一定の役割を果たしているものと考えられています。
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