NY外為市場=ドル6週間ぶり高値、日銀決定受け円は下落

NY外為市場=ドルおおむね軟調、利下げ時期見極め
ニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対しおおむね軟調となった。前日は米国の2月の消費者物価指数(CPI)の伸びが予想を上回ったことでドルは上昇。週内に発表される経済指標から米連邦準備理事会(FRB)が利下げに着手する時期を見極めようとする動きが出ている。 (2024年 ロイター/Florence Lo)
[ニューヨーク 23日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨バスケットに対し6週間ぶり高値を付けた。米経済が安定的に推移する中、米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測が後退し、ドル買いを後押ししている。
ドル指数は6週間ぶりの高値となる103.76を付けた後、終盤の取引では0.2%高の103.62。
クラリティFXのディレクター、アモ・サホタ氏は、ドルに買い戻し調整が入り、「年初来回復している」と指摘。ただ、「新たなニュースがない限り、ドル指数が昨年12月中旬に付けた高値の104強近辺を超えることは想定していない」と述べた。
LSEGのデータによると、金融市場が織り込む3月の米利下げ確率は47%と、約2週間前の80%から低下した。また、年内に0.25%ポイントの利下げが5回実施されることが予想されている。約2週間前は6回だった。
ドル/円は0.2%高の148.385円。日銀の金融政策決定会合直後、円は下落。その後、一時上げに転じたものの、再び下落する展開となった。
日銀は決定会合で、金融政策の現状維持を決定。日銀の植田和男総裁は会合後の記者会見で、物価見通し実現の確度は引き続き高まっているとし、金融政策の正常化に前向きな姿勢を示した。 もっと見る
UBSの外為ストラテジスト、ヴァシリ・セレブリアコフ氏は「インフレが目標に向かって順調に進んでいるという考えに対し、日銀の安心感が高まっている様子が示された」とし、「4月の政策正常化への期待は強まった」と述べた。同時に「すでに広く予想されているため、円にとって重要なイベントとなるかは不透明だ」と述べた。
ユーロ/ドルは0.4%安の1.08455ドル。一時、6週間ぶりの安値となる1.0822ドルを付ける場面もあった。
週内に開催される欧州中央銀行(ECB)理事会に注目が集まる。金利据え置きが見込まれているものの、投資家は金利の道筋に関する手掛かりを求め、理事会後に発表される声明やラガルドECB総裁の記者会見を注視している。
カナダドルは米ドルに対し0.1%高の1.3465カナダドル。カナダ銀行(BOC、中央銀行)は24日に金融政策決定会合を開く。

表はLSEGデータに基づいています ※関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください 外為市場

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