二宮和也、「嵐」活動再開への「リアリティーを持てている」…5人で現在進行形の会話「今何ができるのか」

スポーツ報知
嵐への思いを語った二宮和也(カメラ・小林 泰斗)

 嵐の二宮和也(40)による3日連続の独占ロングインタビュー中編。2020年をもって活動を休止した国民的グループは、11月3日にデビュー25周年を迎える。大野智(43)、櫻井翔(41)、相葉雅紀(41)、松本潤(40)のメンバー4人との間で変化した関係性や距離感、そしてグループの「現在地」と「活動再開」への思いを語った。(取材・構成 田中 雄己)

 「嵐」の話題に入ると、二宮は一語一語をかみ締めるように、丁寧に言葉を発した。

 「今回の一件が起きて、『嵐』を見直すきっかけになったことは事実です」

 昨年10月にスマイルアップ(旧ジャニーズ事務所)を退所する際、嵐のメンバーに直接意思を伝えた。ジャニー喜多川氏の性加害問題の影響で、四半世紀以上共に過ごした事務所から離れたが、その一方で4人とは以前より顔を合わせ、話し合う機会が増えた。

 「(2020年の活動休止以降)グループとしては止まっていましたけど、個人としては動いていて。その間も時間は進んでいましたけど、本当に大事にしてきたモノに対して向き合わないといけないなと。事務所に守ってきてもらった20年でしたけど、これからは自分たちで守っていかないといけない」

 発する言葉の厚みが増した。端々から「メンバー」への思い、「嵐」への気持ちが伝わってきた。

 「能動的に集まるようになってきて。僕自身、嵐で動くとなったなら、いろいろな可能性や意見があっていいし、“五者五様”で全部正解だと思っている」

 そして、迷いなく力強い言葉で続けた。「そこに、応援してくださる皆さんの6つ目の大切な意見もある」

 1年半前にも、ニノのインタビューを行った。当時は「ジュニア時代から数えると、四半世紀以上一緒にいる。お互いの距離感は会話を交わさなくても感じ取れるし、メンバーそれぞれが、嵐のことを第一に思ったからこそ、ここまで来られた」と語っていた。嵐の「現在地」は―。

 「皆で俯瞰(ふかん)になって見ているといいますか。立体的に、現在進行形で見るようになっていて。今までは『あの頃、楽しかったよね』『あんなこともあったよね』と懐古メインの話題が多かったけど、今は『自分たちには、今何ができるのか』という現在進行形の会話に変化している」

 11月3日に国民的グループは25周年を迎える。日本中、そしてメンバー一人一人も意識するが、決して口にはしない言葉がある。

 「皆で会っている時もそのワードは、誰も口に出さないんですよね。その言葉はかなり強いので」。ひと呼吸空けた後、重ねた。「誰かが『再開』と言った瞬間に、空気は変わる。それは、皆が分かっていると思う。だからこそ(再開への)リアリティーを持てている」

 慎重な話しぶりから、その話題に近付くと、メンバー間にも緊張感が走ることがうかがえた。それに、今も「嵐」であることに変わりはない。今月9日には、嵐名義で能登半島地震の被災地に義援金6750万円を送り、公式X(旧ツイッター)では5人連名でメッセージも投稿した。

 「あれは、即決でした。ずっと昔からやっていたことですし。阪神・淡路大震災の時からスマイルアップに社名が変わった現在も、こういったことは変わらずにやれていて。間違いなく続けていくべきマインドだと思います」

 刻一刻と移りゆく時代に、変わらないモノもある。少しうれしそうに笑ったニノは、退所後も「嵐」として生きている。

 そして、KAT―TUNの中丸雄一(40)、Hey!Say!JUMPの山田涼介(30)、Sexy Zoneの菊池風磨(28)と共に出演するYouTubeチャンネル「よにのちゃんねる」も継続する。事務所やグループの垣根を越え、今までになかった新たな道を歩むニノには、確固たる“不惑の抱負”がある。=下編に続く=

 〇…嵐の他のメンバーでは、櫻井はニュース番組「news zero」(日本テレビ系)のキャスターのほか、現在は1月クールの主演ドラマ「新空港占拠」(同)などに出演中。相葉は「木7◎×部」(フジテレビ系)や「相葉マナブ」(テレビ朝日系)などバラエティーを中心に活躍している。松本は昨年、NHK大河ドラマ「どうする家康」で主演し、1年間駆け抜けた。リーダーの大野は20年をもって活動休止中だが、昨秋のイベント直前に街中で偶然出会ったという二宮が元気な様子を伝える一コマもあった。

 ◆二宮 和也(にのみや・かずなり)1983年6月17日、東京都出身。40歳。96年にジャニーズ事務所(現・スマイルアップ)に入所。99年に嵐としてシングル「A・RA・SHI」でデビュー。2006年にTBS系ドラマ「少しは、恩返しができたかな」で橋田賞受賞。同年「硫黄島からの手紙」でハリウッド映画初出演。15年「母と暮せば」で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞などを受賞。18年「検察側の罪人」で報知映画賞助演男優賞を受賞。血液型A。

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