大林宣彦さん、亡くなる数週間前から夢の中で映画を撮っていた 遺作のプロデューサー奥山和由氏が明かす

スポーツ報知
映画「海辺の映画館―キネマの玉手箱」の製作総指揮を執った奥山和由氏

 10日に肺がんのため、82歳で亡くなった映画監督の大林宣彦さん。遺作の映画「海辺の映画館―キネマの玉手箱」の製作総指揮を執った奥山和由氏が11日、都内で取材に応じ「スッキリしたお顔で口元はほほ笑んでいる。『監督』と呼べば今にも起き上がりそう」と語った。

 奥山氏によると、大林さんは1~2週間前から映画を撮っている夢をよく見ていたそうで「よーいスタート!カット!みんなありがとう」と寝言を言っていたという。亡くなった10日は遺作の公開日。新型コロナウイルスの影響で公開日が延期となっていたが、当初の公開日を迎え、「今日が初日だね。(体調が悪くて)劇場に行けなくて悔しいね」と、妻・恭子さんに心境を吐露していた。昼頃まで会話ができていたというが、その後寝ていた恭子さんが目を覚ますと、すでに大林さんは冷たくなっていたという。

 奥山氏はコロナ感染拡大の影響を鑑(かんが)みて遺作の公開延期に踏み切ったが「公開が延びたときに監督がそれまでに元気になるんじゃないかと信じたかった」と無念。「最後の我が子を産みだしてみなさんに届くのを見届けたかっただろう。大林さんの年齢、あの体なのにエネルギッシュな作品を撮っていて、見ているこっちも甘ったれたことを言えないと思っていた。映画人としても二度と出てこないような人」としのんだ。

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