12球団トップの「10.1」 守備範囲は源田の“2倍”…中日に現れた20歳の職人

中日・龍空【写真:荒川祐史】
中日・龍空【写真:荒川祐史】

中日の龍空、打撃は課題も…守備力は球界屈指

 中日の龍空内野手は、ここまで自己最多を大きく更新する103試合に出場。直近の試合では二塁での起用も増えているが、93試合で守った遊撃手の守備指標では、12球団トップを記録している。

 セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、守備全般での貢献を示すUZR(Ultimate Zone Rating)の指標は10.1。守備範囲を示すRngRも10.3で、ともに遊撃手では両リーグ断トツとなっている。(成績、指標はすべて9月19日終了時点)

 昨年の中日は、遊撃のポジションは京田陽太内野手、三ツ俣大樹内野手らと遊撃のポジションを争う状態だったが、京田が移籍したこともあって今季は出場機会が増加。龍空は昨年も高指標をマークしていたが、今季レギュラーとなったことによって、その守備力が日の目を見るようになった。

 遊撃の守備では広い守備範囲を誇り、守備範囲を示すRngRは10.3。2位の村林(楽天)の7.5を大きく引き離している。源田(西武)はUZR5.8、RngR5.2で、龍空はどちらも2倍近い数値を記録している。一方、他の選手と比べると失策は多くなっており、守備率では長岡(ヤクルト)、木浪(阪神)に次いで3位となっている。

 そして、課題はなんといってもバッティングだ。打率は.190で昨年よりも低下。下位で起用され続けたものの、今季は1度も打率が.220を超えていない。打撃は大きな課題も、守備は球界屈指。チームは苦しんでいるが、常勝軍団となるためセンターラインの強化は必要不可欠。若き遊撃手が、チームを支えることができるか。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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