物価上昇、3カ月連続2%超=生活必需品の高騰続く―食料3%超、家計圧迫 2022年07月22日

 総務省が22日発表した6月の全国消費者物価指数(2020年=100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が101.7と、前年同月比2.2%上昇した。伸び率が2%を超えるのは3カ月連続。食料品やエネルギーといった生活に欠かせない品目で広範に値上がりが進んでおり、家計が一段と圧迫されている。
 2.2%の伸び率は4、5月の2.1%を上回り、消費税増税が影響した14、15年を除けば、08年9月以来の高水準。ウクライナ危機による原油価格や小麦粉など穀物価格の上昇、急速な円安が物価を押し上げた。
 生鮮食品を除く食料の上昇率は3.2%に達した。品目別には食用油が36.0%と大幅に伸びたほか、円安に伴って輸入品の牛肉が13.5%、食パンは9.0%値上がりした。生鮮食品も6.5%上昇した。
 エネルギー価格は5月までに比べて伸び率がやや鈍化したものの、全体で16.5%上昇した。このうち、都市ガス代の上昇率は21.9%、電気代は18.0%だった。また、中国の新型コロナウイルス感染拡大に伴う部品調達難が響き、家庭用耐久財が7.5%上昇。夏本番を前にルームエアコンも11.3%上がった。
 食品や電気・ガスなど生活必需品に特化した「基礎的支出」の伸びを見ると、6月は4.4%上昇。ぜいたく品や嗜好(しこう)品の0.2%を大きく上回る。切り詰めるのが難しい品目が上昇しており、低所得層の負担が増している。
 鈴木俊一財務相は22日の閣議後の記者会見で、「物価高騰が(消費)マインドの悪化などを通じて、景気の下振れリスクになることに十分注意する必要がある」と指摘。5.5兆円の予備費を活用し、物価高対策を講じていく考えを改めて示した。ただ、当面は円安による輸入物価の上昇圧力が続くとみられ、対策の効果がそがれる可能性もある。 

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