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360度ファンに囲まれて。開幕投手発表の舞台裏と今井の決意

こんにちは。
株式会社西武ライオンズ広報部です。

前回のnoteでは、ベルーナドーム名物の立飛ホールディングスが設置する看板広告にまつわるお話をさせていただきました。社員にも1億円を還元できる会社って素晴らしいですよね。

さて、ファンの皆さまをお迎えするベルーナドームも、開幕に向けての準備を着々と整えていますが、選手たちも開幕へ向けて準備万端です。そして開幕と言えば、開幕投手。

今年は3月16日(土)に行われた西武初のOB戦「LIONS CHRONICLE 西武ライオンズ LEGEND GAME 2024」で開幕投手の発表を行いました。Lビジョンで映像が流れたときの球場の盛り上がりには、私自身とても興奮しました。なんといっても球場アナウンスを担当していた文化放送の斉藤一美さんからも「#48リレー」と凝縮ワードで紹介されていましたが、運命的なものを感じましたね。

現役当時の背番号48で登板した武隈祥太

ということで、今回は開幕投手にまつわるお話。
今年の開幕投手の発表までのエピソードをご紹介します。

▼目次
一向に発表されない開幕投手
■ファンの皆さまのための発表じゃないの?
■頼もしいフロント・監督・コーチ
■“開幕投手”今井の決意

一向に発表されない開幕投手
今年は、3月29日(金)に楽天生命パーク宮城で開幕を迎えます。
この開幕戦というものは、球団職員の我々としても、何度迎えても落ち着かないものです。

例年、ライオンズの開幕投手は、春季キャンプ地での発表が定番。他球団は続々と発表されるなか、ライオンズはキャンプ最終日にも発表がない!?と気になっていた方もいたかと思います。

実は、通例や慣例に縛られず、チャレンジをすることを掲げている広報部の一計を案じた結果でした。

ファンの皆さまのための発表じゃないの?
遡ること2023年12月。
忘年会ラッシュの最中、2カ月後に迫った春季キャンプの準備も進めていく中で、開幕投手の発表方法について良いものはないかと私たちは頭を悩ませていました。
ドローンを使ったくす玉で派手にやろうか?松井監督にひと肌脱いでもらおうか?キャンプ地・南郷の名産品を使ってみようか?と、たくさんのアイデアを出してみましたが、どれもピンときません。

そんな時、ある部員からこんな意見が。
「先日、あるファンの方と話をしていて、そもそもキャンプ地限定で発表する理由について話題になったんです。マスコミ向けに絵作りしようということが目的となり、手段が目的化していることに気付いたんです。誰に向けて発表しているのかって言ったらファンの皆さまに向けてですよね?」
少しハっとさせられました。もちろんキャンプ地にもたくさんのファンの皆さまにお越しいただいていますが、過去の発表方に囚われて、ファンの皆さまに向けてという視点が足りていませんでした。

ただどうするのが良いのか…。そんな時にまた聞こえてきたのが、
「360度ライオンズファンに囲まれる機会ってなかなかないですよね」というOB戦の打ち合わせに参加する広報部の仲間の声でした。

ベルーナドームのスタンドがライオンズファンの皆さまだけで埋め尽くされるこの日。
この時期に“ファン参加型”を体現できるこれ以上の機会はありません。この日を逃す手はありませんでした。

■頼もしいフロント・監督・コーチ
ただ、開幕投手発表の時期には、チームの戦略的な面も含めて、複雑な事情が絡みます。広報の一存で、という訳にもいきません。フロントや監督・コーチたちはOKしてくれるのか…。私たちには不安がよぎりました。

そこでまずは、チームを統括する飯田球団本部長、渡辺GM、広池球団副本部長の意見を聞くことに。

発表のタイミングが遅いのでは?その時期だと実戦のローテーションでバレちゃうんじゃない?などの意見も出ましたが、最後には、飯田本部長の「ライオンズファンだけで埋め尽くされるOB戦での発表は、毎年できるものでもないし、何よりもファンの皆さんの前で発表できるということが一番だよね」という意見が決め手となり、フロント陣からもお墨付きをもらうことができました。

そして次は、松井稼頭央監督と豊田清投手コーチです。
ふたりとも、はじめこそ驚いた表情をみせましたが、ふたつ返事でOK!
「いいね。ベルーナドームがライオンズファンだけで埋まるって、贅沢だし、そこでの発表というのも気が引き締まる。それにOBの方々の前で発表する以上、恥ずかしい試合は見せられないね」という松井監督の言葉とともに私たちも気が引き締まりました。

といった感じで当初懸念していた球団の理解もスムーズに得ることができました。
ライオンズのフロント陣や監督・コーチ陣は、私たち社員の意見にも熱心に耳を傾けてくれて、協力してくれます。時には意見も積極的に伝えてくれますし、身内ながら本当に頼れるし、大好きな皆さんです(笑)。

■“開幕投手”今井の決意
今回のOB戦での開幕投手発表は、本当に社内外のたくさんの方々の協力と理解があって実現することができました。

初の開幕投手を任された今井投手は「僕でチームの1年間が始まるので、今まで以上に責任感をもってプレーしなければいけないと思いました」と当時を振り返ります。


春季キャンプでブルペン投球をする今井

ただそれは“プレッシャー”ではなく、“モチベーション”。
2年連続で自主トレを鴻江スポーツアカデミーで過ごし、投球フォームの改造と、その継続を強い意志を持って貫き通したことが成果として現れている。
もっとレベルの高い投手を目指し、そして開幕投手を任された今年は、今まで以上に責任感を持ってやっていこうと決意を固めました。

チームには、先発に転向して1年目で結果を出している年下の平良投手、毎年2桁勝利して、イニングも多く投げている先輩の髙橋光成投手もいます。
そういう投手を越えていかなければチームで一番の投手にはなれない。みんなの上に行かなければいけないという意識は今井投手の中にずっとありました。
それまでは調子の波が激しかった今井投手ですが、昨夏あたりから、調子が悪いときに自分をコントロールができるようになり、不調の時でも最低限の仕事をする、最小失点で抑えられる投手を目指していこうと思ったといいます。

開幕投手の発表は事前に収録したビデオメッセージでしたが、撮影は完全にアドリブだったそう。“ライオンズが100点でシーズンのスタートを切れるように”とコメントした今井投手は、選手みんなが開幕に合わせてコンディションを整えてくるなかで、昨年の自分より良くなっている姿を見せて、“打てないかも”って相手に思わせる。“昨年よりヤバいぞ!”という印象を付けさせるのは大事だと考えています。しっかりイメージを植え付けることで、シーズン中、常に自分が優位に立てると。

ベルーナドームでの開幕まで残り8日、球団職員はファンの皆さまを最高の状態でお迎えするために準備しています。そしてチームはファンの皆さまに勝利を届けるため、皆さまの期待を裏切らないよう努力をしています。
この何とも言えない気持ちを楽しみながら、一緒に開幕戦勝利を願いましょう。

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