環水平アーク

(かんすいへいアーク、英語:circumhorizon arc、circumhorizontal arc)

大気光学現象の一種で、太陽の下46度の水平線上の薄雲に虹色の光の帯が見えるもの。

水平弧、水平環 とも呼ばれる。

大気中の氷晶に太陽光が屈折して起こるもので、太陽高度が58°以上の時にしか出現しない。

 

<類似の現象との区別>
彩雲と間違えられやすい断片的な環水平アーク
虹や内暈(22°ハロ)などとは異なり、環水平アークは、太陽と同じ方向に現れ、水平の帯の形状をしている。なお、環水平アークの光の帯は、方位角にして最大108°までの広がりを持つ。
 内暈(22°ハロ)
巻雲などの断片的な雲を通して見えるときには、同じく虹色をした彩雲としばしば混同される。
外暈(46°ハロ)や下部ラテラルアークは同じ高さに生じ、太陽高度によってはほとんど同じ形状となるため、区別が難しい場合がある。

<観測条件とメカニズム>
58°以上という高い太陽高度が条件のため、概ね北緯・南緯55度より極側の高緯度地域では、高山を除いて見ることができない。

ヨーロッパでは、デンマークのコペンハーゲン付近が北限である。また、低緯度の地域ほど、夏季を中心とする太陽高度58°以上の期間が長くなり、観測されやすい。

中緯度にある日本などでは、夏の間、夏至を挟んだ半年前後の期間見ることができ、概ね1年に数回程度観測できる。
   
上空の雲を構成する氷の結晶の多くは六角板の構造を持つ。結晶の方向が揃ったとき、太陽光が斜めに鉛直面に入射して水平面から出射すると、2度屈折する。このとき結晶がプリズムの働きをして、可視光線の波長ごとに分光されて虹色に見える

 

環水平アーク・環天頂アーク・幻日・日暈・月暈

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