前回の記事でリーアム派とステラン派を問いかけましたところ、どんたろさんから一票、リーアム派をいただきました。
ヤシマさんもリーアム派ですかね?文面からお察しします。
りゃんひささんもオリジナル版を観ていないとのことで暫定リーアム派でしょうか。

私、ステラン派なんですが、票が増えずに残念です。

お三方ともコメントいただきありがとうございました。


新旧映画見比べシリーズ。ネタバレありますのでご注意ください。

「ファイティング・ダディ」同様、同じ監督によるリメイクと言えば「犬神家の一族」です。1976年と2006年東宝、共に市川崑監督です。



主演の金田一役には両作品共に石坂浩二を迎えています。
脚本もほぼ同じように感じました。音楽も同じでした。作り直す意味ですか?ちゃんとありますよ。
自分で比べる前に息子が金田一ファンなので聞いてみたらラストが違うそうです。そう、このラストがいいです。これは後ほど詳しく。

私は原作がより面白いと思っていますので、リメイク版は原作寄りになったのかと期待したんですけど、そこはそうでもなかったです。

一番原作との違いを感じるのが、青沼菊乃と琴のお師匠さんが別人になっているところなんですよね。金田一大好きな息子に聞くともっとたくさんあるそうなんですけど、細かいところはそんなに気になりません。でも、登場人物が減ったり増えたりは結構な違和感が生じるものです。

映画は小説とはまた別の作品なんだって分かってはいるんですけど。
石坂浩二、最初のは35歳くらい。リメイク版では65歳。
お隣は金田一が滞在する那須ホテルのおはるちゃん役、上が坂口良子、下が深キョン。


金田一は若林という人物から、先ごろ亡くなった犬神佐兵衛の遺族の間で容易ならぬ事態が起こるのではないかという憂慮に耐えぬ手紙をもらい、若林と那須ホテルで落ち合う予定でした。



本作ヒロイン野々宮珠世役は島田陽子、松嶋菜々子。お二人とも綺麗ですね。演じた時の年齢は島田さんの方が若いみたいですけどね。共通点は長身ってところですね。お二人とも171センチ、172センチと日本人の女性ではかなり背が高いですよね。佐清がかすむ。
珠世は犬神家の恩人の子とか言われていますが、本当は佐兵衛翁が生涯ただ一人愛した女性の孫でした。
金田一が暴くまで犬神家の人も珠世本人も知りません。

到着早々珠世の乗るボートが転覆しそうなところを発見。助けに行っている間に一度も会えないまま若林は殺されてしまいます。

改めて弁護士の古館から若林殺し、珠世への襲撃が遺言状に起因するものと調査を依頼されます。

佐清役はあおい輝彦、尾上菊之助。共通点はまつ毛が濃い?あ、目が大きい。


左から佐智、佐武、佐清(静馬)です。
1976年版では佐武は地井武男、佐智は川口恒(ひさし)
2006年版では佐武は葛山信吾、佐智は池内万作です。

順番が逆になりましたがそれぞれの母親は

左から梅子(佐智の母)と竹子(佐武の母)
上が草笛光子、三条美紀
下が萬田久子、松坂慶子
一番手前が松子、佐清の母。上が高峰三枝子。下が富司純子。2006年版は回想シーンが白黒。

松竹梅の三姉妹は三人とも佐兵衛翁の三人の妾腹の子です。松子の息子の佐清が立場的に上なのは生まれた順ではないかと思います。

佐武には小夜子という妹がいます。1976年版は川口晶、2006年版は奥菜恵です。

佐智と小夜子は従兄妹同士の恋人同士です。
上が佐智の川口恒、下が小夜子の川口晶、二人は役の上では従兄妹で恋人同士でもありますが、実の兄妹です。お母さんが三益愛子(大女優)お父さんが作家の川口松太郎、お兄さんが俳優で探検家の川口浩隊長、弟も俳優だった川口厚というすごい芸能一家です。薬物使用で兄妹共に芸能界から引退しています。残念ですね。
こちらは2006年版の従兄妹カップル。佐智の池内万作の両親は伊丹十三と宮本信子。目元はお母さんの面影がありますよね。
奥菜恵の小夜子とカップルのはずなのにお金に目がくらみ珠世に手を出します。そしてやられます。このパターンは佐武もです。

さて、遺言状はざっと言うと、財産を相続するのは珠世で、条件として佐清、佐武、佐智の三人のうちから婿を取れと言うものでした。もしも守られない時には財産は青沼静馬に譲られます。佐武、佐智、佐清は犬神家の、これも相続されるもののうちですが、三種の家宝「斧、琴、菊」(良きことを聞く)で見立て殺人をされてしまいます。斧をヨキと読みます。

佐武は菊人形にされちゃうし、佐智は琴糸を巻かれます。佐清は「斧」のはずですが、↓下のような姿に。“スケキヨ”を逆さにすると“ヨキケス=斧消す”で殺害後湖で逆さにされるのです。逆立ちして(突き立てられ)体が半分に水に沈められています。つまり縦書きの“ヨキケス”の下半分がなくなって“ヨキ”(斧)のみ残るというわけです。





石坂浩二の他、オリジナル版と同じ役だったのは神官の大山さん役、大滝秀治。
警察署長の加藤武も同じ役なんですが、橘と等々力と苗字が違っています。



弁護士古館さんは小沢栄太郎と中村敦夫です。


下のお二人、尾上菊之助と富司純子は実の親子ですね。

個人的には松子は高峰三枝子が好きです。貫禄があります。

竹子、梅子の姉妹は
2006年版では別の役で出演
上が松子の母役、三条美紀
下がお琴のお師匠さん役、草笛光子

ちなみにですね、原作では松子の母は死亡していて、お琴のお師匠さんは青沼菊乃の成れの果て(目を悪くして容姿も醜くなっています)で、静馬の実母でもあります。お琴の師匠として犬神家に出入りするようになったのも偶然で、容姿が変わり果てて気づかれなかったのです。本人ももう別の人生を歩んでいたので松子達を怖がりはしましたが恨んでどうこうとは思っていませんでした。
青沼菊乃役は1976年版は佳那晃子、2006年版は松本美奈子。

松竹梅の三姉妹にボロッカスにされて追い出されたのは原作通りです。男子を出産したことで佐兵衛翁から「斧琴菊」の三種の家宝を与えられました。それを取り返す為に三姉妹は菊乃を襲撃したのです。菊乃は裸にされて痛めつけられて、静馬には焼け火箸押し付けられるのです。静馬と三姉妹は同じ立場なのに男の子なので脅威に感じたのでしょう。ひどい仕打ちをしたものです。嫉妬と欲。醜いです。

菊乃は静馬を手放したので、静馬が出自を知ることになったのは成長してから。偶然戦中に佐清と知り合うことになったのは二人の容姿がそっくりであるということが手伝いました。戦時下では恨みつらみも忘れることとなり、二人は親しくこそなれ、恨みの対象とはならなかったようです。静馬の動機は恨みというよりもお金目的なのが原作でした。静馬は佐清が戦死したものと思い、佐清になりすまして犬神家に入り込もうと思ったわけです。佐清として珠世と結婚って。無理でしょ、叔父と姪だから。珠世は佐兵衛翁の孫なので珠世の母と異母姉弟になります。

逆立ちで殺されたのは静馬がなりすました佐清でした。「まずし」

1976年版では
声優の三ツ矢雄二が青年犬神佐兵衛で写真のみの出演(右)

そして最後にラストシーンですが1976年版では那須駅ですでに発車間近の電車に慌てて走る金田一の姿が見えなくなって終わりです。駅の風景だけです。電車も音だけで、金田一が飛び乗る様子などは映されてはいません。

物語が終わり、またいつか会えるような期待が感じられました。つまり、続編できそうって感じでした。実際、ここから毎年金田一シリーズが上映されました。続くは「悪魔の手毬唄」私、映画も原作もはこれが一番好きです。

2006年のラストシーンは金田一の歩く後ろ姿で終わります。
振り返り少しだけ微笑んで微かに会釈する金田一。なんだかお礼を言われているような、最後の別れを宣言されたような気持ちになりました。


オリジナルありきのリメイク版なので今回は甲乙つけられません。
チャンスがあったら両方観てくださいね。見立て殺人は映像で見た方がわかりやすいですしね。


映画とは関係ない話です。
先日、ミニシアターに足を運びましたが、前夜より花粉症の薬を飲み始めたのをうっかり忘れていました。結果、ほとんど爆睡で観ていない…
作品には関係なく体調により寝てしまったわけですが、作品の名誉の為に作品名は伏せます。伏せさせてください!つまらなかったわけではありません。
まるまる一本ほとんど寝ちゃったなんて初めての出来事でした。自己嫌悪です。

楽しみにでかけたのに。なんて残念。もったいない。

花粉症が始まってしまいました。殆ど家を出ないし、マスクをして、薬を飲んでいるにも関わらず、症状が出始めています。目が痒い。鼻も詰まり気味です。

布マスクを盛んに否定していますけど、布マスクにフィルター入れている場合はどうなんですかね?

毎年、使い捨てマスクではコストがかかるので、布マスクにフィルターを入れて使用していました。
体感しているのは不織布マスクより密着するのでむしろ花粉は通しません。慣れない頃は息苦しくて辛かったです。

フィルターがどの程度ウイルスに対応するかはわからないけど、毎年、花粉の季節は布マスクのおかげで風邪知らずでした。この時季はインフルエンザにもかかっていないです。

とりあえず、マスク警察の方達は私のことを逮捕しないで欲しいです。