-位置の表現- 

ジオイド

 地球の形を表現したものの一つにジオイドというものがあります。これは、簡単に言うと地球上の陸地を無視し、地球上の全てが海であると仮定したときの表現モデルです。高さの基準を海面としており、そのために全体を見ると球形ですが、正確には凸凹のあるモデルです(海面の高さが重力によって一様でないため)。しかしながら、現実の世界と一致しているので、狭い範囲における計測では有効な表現といえます。

 

地球楕円体

 地球上の位置を表す場合、基準となる面を決め、その基準面に従って表す必要があります。先ほど地球の形を表すジオイドについて説明しましたが、ジオイドの場合は意外に大きな起伏があるので精度の面からすると不適当です。そこで、ジオイドに最も近く、起伏のない回転楕円体というものを地球の形を代表するモデルとしています。これは一般には地球楕円体と呼ばれ、数種類存在します。現在では人工衛星の計測によって、最も精度の良いWGS84と呼ばれる楕円体が世界標準となっています。日本では最近までBessel楕円体を採用していましたが、近年、精度の面から測地形2000と呼ばれる楕円体へ移行しました。

 

 

球面座標系

 球面座標系とは、最も多用される緯度・経度による表現のことです。東西方向をグリニッジ天文台から、南北方向を赤道から度分秒で表したものです。

 例 : N33゚37'22゛ E133゚14'50゛

 1秒=約0.03km

 1m=光が真空中で(1/29792458) 秒間に進む距離

 

地心直行座標系

 これは、地球の中心を原点とし、そこからXYZそれぞれの方向に何m離れているかによって空間上の位置を表す手法です。球面座標系は地球の表面の位置を表すのに優れていましたが、この座標系では人工衛星の位置等、宇宙空間でも位置を表すことができます。

高知の位置(-36480, 3912,0  3473.3)(km)

 

平面直角座標系

 地図の表現に様々な図法があるように、楕円体の地球を正確に2次元(紙などの)に投影するのは困難なことです。現在日本では、市町村単位のような狭い地域で測量を行う場合、図面等は平面直角座標系と呼ばれる座標系を使うのが普通です。平面直角座標系は日本を19の地域に分け、その地域ごとに異なる原点を設定し、そこからXY方向にm単で位置や距離を表現します。こうすることで、一つの原点を用いるよりもその地域ごとの歪みや誤差が少なくなります。 ちなみに高知県ではほとんどW系といわれる原点を利用しています。

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