アナ・ログ ~アナウンサーリレーエッセイ~

1月14日にどんと祭に参加しました。
この日は運よく晴天だったうえ、御参りも順調に進みました。おかげで、朝にシャワーを浴びた後、キンキンに冷えたジーンズをきゅっと穿く時に比べれば、耐えられない寒さではありませんでした。

さて、鍵を持たずに家の外に締め出されることってありますよね?私は今年に入って、数年ぶりにやってしまいました。

時刻は23時。翌朝は朝ニュースの担当で、できれば早く寝たい状況。ちょっと外に出るだけだからと素足にサンダル姿。手ぶらで、財布も携帯電話もなし。外では激しい雨が積もった雪をグショグショに。
こんな状況です。

それで、まずはマンションの入り口に書いてあった、管理会社の番号に電話しようとコンビニを目指すことに。
1軒目では、全身びしょ濡れで足を真っ赤に腫らした不審者に取り合ってくれず、2軒目へ。
ここでは何とか電話を貸して下さいました、がっ( ̄□ ̄;)!!
「この格好で家から閉め出されてしまいました。電話がないので貸して下さい」とお願いした途端、念仏を唱えるようにして記憶していた10桁の電話番号を失念。しかも、管理会社が去年のうちに替わっていて、この番号自体存在しない事に気付きました。

こんな状況なので方針転換し、会社へ。
アナウンス部ではびしょ濡れの不審者に、夜勤で社内にいらっしゃった原アナウンサーによる事情聴取が行われました。
「なんで、こんなことになったのか分かるように説明して!?」と原さん。
「夕方まで実家にいたんですが、実家はオートロックじゃなかったもので、つい…」という返答に、原さんも口をついて出てしまったのでしょう。
「つい?…」と力なくこぼした後、しばらく遠くを見ていらっしゃいました。

雪道で1時間以上も冬風に晒されましたが、なんやかんやあって無事帰宅できて一安心。今年一番の大仕事を終えたこの夜は、いつもよりグッスリと眠ることができました。

次は、私よりもたくさん寒い日を経験していらっしゃるでしょう。佐藤さんです。
初めてお年玉をもらったのはいつだったでしょうか?思い返してみると保育園の頃に数千円をもらったのが初めでした。5歳くらいだったでしょうか。
幼少時、あれが欲しいコレが欲しいと思わなかったためお年玉は使いませんでした。受け取ってすぐ親に預けてそれっきり。ほったらかしていたお年玉を大学生になって初めて口座にまとめるという具合でした。しかし5歳くらいからの分が貯まっていたため、お年玉を初めて使った買い物はかなりビッグ。買ったのはバイク。250ccのもので、教習車によくあるスタンダードなタイプのものです。男なら誰でも一度はバイクに憧れたことがあると思います。大学には毎日、バイクで通学していました。
バイクで遠出はほとんどしませんでしたが、一度だけあります。ハッキリ覚えている2006年8月19日。翌日行われる、夏の甲子園決勝戦を観に行こうと突然思い立ったのでした。当時は冒険したい盛り。どうにかなるだろうと地図を持たずに朝10時に家を出発。道路の青看板だけを頼りに、時間もあることだし、まずは一般道でどこまで行けるか試してみることに。しかし甲子園までの距離は全然縮まらず、諦めて高速道路を走っても250ccの軽い車体では負担が大きく、体を支えるので精一杯。途中のSAでは手足が痺れて歩くのも大変でした。さらに困ったのは、関東から近畿を往復走れば、その間、雨のところがあるものだということ。岐阜の山中で雨に降られました。遠く甲子園の道のりに日本の大きさを痛感させられました。
しかし、翌日観戦した早稲田実業vs駒大苫小牧の試合は引き分け再試合となる歴史に残る一戦に。次の日の再試合も観戦。お年玉で買ったバイクに跨って駆け抜けた冒険は一生ものの思い出となりました。とりあえず、もう2度とバイクで高速道路は走りたくありません。

続いては寺田さん。寺田さんが買ったものは何でしょうか??

2008年総決算

2008/12/19
今年も年の瀬が迫ってきました。早いもので、今回のテーマが今年最後のテーマになります。今回のテーマは「2008年総決算」。文字通り2008年を締めくくります。と同時に、私が入社する前の2006年12月から始まったアナログも、今月で3年目を迎えます。3年目のテーマは広瀬から始めさせて頂きます。

このアナログをご覧の皆様にとって、広瀬といえば当然アナログを通しての印象が強いと思います。というわけで今年のアナログについて振り返ってみます。
大学生時代は本を読むことはあっても、書いたものといえば・・アルバイトの履歴書以外は、呪文のような数学の数式と化学の組成式ぐらいしかありません。ブログの類は書いたことはもちろんありませんでしたし、人のを読むこともあまりありませんでした。今では中学生はおろか小学生でもブログをやっていると聞いて驚きました。
という不安で始まったアナログでしたが、やってみた正直な実感は、意外と楽しい!初めは書くだけで精一杯でしたが、できれば面白いものを書きたいと思い始めました。私は、人生のネタ自体が面白いわけでないので、『国家の品格』の著者・藤原正彦さんのテンポあるリズムや、『男子の本懐』の城山三郎さんの情景描写などを真似て書こうとするのですが、そんな浅はかな試みがうまくいくわけはありませんでした。むしろ不自然な表現が浮きまくって結局カット(^_^;
そんなこんなでやってきたアナログも、読んで下さった方からコメントを頂けると、どんなものであっても嬉しいものです。見て下さった方から直接お話を聞ける機会はあまり多くなく、月に2回確認するのを密かな楽しみとしていました。
なかなか読んで下さる方に満足して頂くようなものは書けませんでしたが、来年はもう少ししっかりしたものを書きたいと思います。

続いては板垣アナウンサーです。今年はどんな年だったでしょうか!?
 去年の12月の一番の思い出は、学生最後の思い出作りにと、初めてクリスマスのヨーロッパに行ったことです。さすがはクリスマスの本場!街中でクリスマスマーケットが開かれていました。イルミネーションもヨーロッパ建築と調和するような、ほのかな明かりで街を満たしていました。写真もその時に撮ったもの。ミュンヘンのデパートのショーウィンドウにこんな可愛らしいぬいぐるみの世界がありました。このクリスマスウィンドウの前には夜も遅いというのに3,4歳くらい子供達が集まってキャーキャー騒いでいました。キリスト教圏ではクリスマスには家族そろって過ごす家庭が多いのだとか(*^^*)
 そして今年も12月となり、いよいよ仙台初の冬を迎えました!これまで東京以外で暮らしたことがあるのが、インドネシア、イラク、タイ、そして母の実家の埼玉県熊谷市。この4都市の中で一番暑くないのが実は“あついぞ熊谷”の熊谷市といった具合(*_*)イラクにいたっては暑いというか皮膚がジリジリ痛いという感じでした。そんなものなので暑さには強いのですが、寒さは…。11月中に既に全ての防寒具を総動員させてしまっています。これからが心配です・・
 
 さて、私のクリスマスの定番は「明石家サンタの史上最大のクリスマスプレゼントショー」を観ることです。というわけで番組中に流れる、『We wish you a merry christmas』を日本語にした歌「おめでとメリークリスマス♪おめでとメリークリスマス♪」を聞くと「クリスマスかぁ」と、聖夜がほぼ終わりかけた頃に実感できます。
 この曲が流れるのは視聴者の方にクリスマスプレゼントが当選した時ですが、当選したプレゼントが希望の物ではないことが時たまあります。その時は残念そうな声が上がりますが、私も幼少時それに近い経験がありました。3歳くらいの時に戦隊ものの必殺の武器の玩具が欲しくてサンタさんにお願いしたことがあります。貰ったものは大体その通りでしたが、本当に欲しかったそのものではありませんでした。結局、当時は「サンタさんに説明するのが下手だったのかなぁ」と心の中で反省したものでした。みなさんにもこんな経験がおありではないでしょうか?サンタさんにはしっかりと希望のものを伝えないといけませんね!

続いては、原アナウンサーのクリスマスソングです♪
私のお気に入りグッズは「安眠3点セット」です。
マスク、アイマスク、そして耳栓です。
マスクは、乾燥で喉を痛めないためと風邪予防に使っていらっしゃる方は多いですよね。アイマスクと耳栓は、あまり使っているという話は聞きませんが睡眠時にはぜひ使ってみて下さい。快眠間違いなしです!
アイマスクは使い始めて1年くらいですが、耳栓との仲は高校3年生以来です。高校3年生といえば受験勉強の年ということで、勉強中に耳栓を付けている友人はわりといました。この耳栓、使って頂ければ分かりますが、世界が本当に静かになります。逆に普段、何気なく暮らしている世界が、意外と様々な音に溢れていることに気付かされます。テレビや外を走る車の音はもちろんですが、空調や冷蔵庫、ちょこっと点いているだけの豆電球の音、待機中の録画機器などなど。他にも、正体不明の音が「ジーッ」となっています。
持論ですが、少しの光や物音でも体が感知すればその感覚が働いているわけであって、しっかり休めていない証拠ではないかと思います。それに、ガサガサという音がしただけでも「何の音だ?」と少しくらいは考えてしまいますよね。深くて質の良い睡眠をしっかりとっていれば、たとえ短い時間だとしても、浅い睡眠を長時間続けるより効果的な気がします。

基本的に私は寝つきがよくないので、こういったアイテムを使って寝ていますが、注意点が2つ。早起きしなければいけない日に新品の耳栓で完全に音を遮断してしまっては、目覚まし時計が聞こえなくなる可能性がありまずいです。エース級の耳栓は優勝決定戦には登板させられず、少々くたびれた耳栓を使わざるを得ません。
それと、ごくまれにアイマスクの跡が寝癖みたいに残ってしまうことがあり、放っておくと恥をかきます。その点だけ気をつければ、毎朝気持ちよく目覚めることが出来るはずです。

続いては佐藤アナウンサーです。
11月に入って1週間。私も読書の秋を満喫中です。ただ、家が東向きで午前10時には寒くなるため、布団に包まり睡魔に耐えながらです。

夏に話題となった映画「クライマーズ・ハイ」。横山秀夫さんの小説が原作で、舞台は群馬県・御巣鷹山の航空機事故。既に多くの方がご覧になったと思うので、そこで私は同じ御巣鷹山の航空機事故でも山崎豊子さんの『沈まぬ太陽』をイチオシします!「クライマーズ・ハイ」は報道記者の視点で綴られていますが、『沈まぬ太陽』は被害者と、被害者を支え続けた航空会社の社員の立場で書かれています。悲惨な事故現場と、被害者のために人生を投げ打つ社員の姿がリアルに描かれていて「クライマーズ・ハイ」と違う視点で楽しめます。

もう一冊。三国志の映画「レッドクリフ」の影響で三国志演義を読み始めました。三国志演義は全部で数千ページ。約3000ページある司馬遼太郎「坂之上の雲」を読むのに学生時代でさえ一ヶ月、入社後に読み始めた「竜馬がゆく」は三ヶ月かかりました。読み切る自信はありません…
と書いた直後、三国志演義を中断して遠藤周作氏の『楽天主義のすすめ』を読み始めました(^^;遠藤氏は一日の大半を布団の中で過ごすため傍目にはグータラ者だけど、本人曰く沈思黙考しているとのこと。要は力を抜いて何となく人生を過ごす魅力を書いた本です。そういえば私の父もどこか力が抜けています。50代前半で退職し、週一回のゴルフ以外に何をしているのか知りません。ノンビリ屋で、昼食をとるにも往復2時間の道程を歩いていく一方、赤信号では電柱の日陰を探し、日陰の形に合わせて体をくねらせるなど疲れることをひどく嫌います。どうもフーテンの寅次郎の影響を受けているようですが、息子はチャップリン好きでその血はしかと受け継がれています。
その2人がイタリア旅行した際、北部湖水地方で有名なコモ湖に向かうはずが見事に電車を乗り間違え、着いたのはマッジョレー湖。しかし着いてビックリ!湖の真ん中に宮殿が浮かんでいるではないですか!行きの機内で読んだヘミングウェイの戦争小説『武器よさらば』で舞台となった宮殿です。写真がそれですが、フラフラ2人組だから偶然出会えた絶景でした。

さて、私も遠藤氏にならって布団に包まりながら三国志演義に再挑戦することにします!次は寺田さん曰く「ちょ~カッコいい女性作家」のお話です♪
以前も書きましたが私が好きな映画は断然チャップリンです。早坂さんに先に言われてしまいました(^_^;)
今のテレビの笑いを見てもチャップリン映画をお手本にしたシーンがある気がします。板垣さんも同じようなことを仰ってました。
私が尊敬する爆笑問題・太田光さんや三谷幸喜さんもチャップリンが好きで、影響を受けたとテレビやラジオで話していました。ウッチャンナンチャンの内村さんも「笑う犬の生活」という名の番組を作ったほどです(「犬の生活」というチャップリン映画があります)。ビートたけしさんもご自分の番組のコーナー名にチャップリンの名を使っていました。
特に意識せずに、個人的にたまたま好きになった人達に意外な共通点が見つかって、それが「チャップリン」だというのがさらに驚きです。
チャップリン映画は白黒ですし、映像とBGMだけでセリフがないものが多いので、多分テレビで観られる機会は少ないでしょうから、是非DVDでご覧下さい。

さて、チャップリンばかり書いてしまったので、違うものを。
超有名作品じゃなくて、マイナー過ぎないものでおススメなのは「魔笛」です。音楽家モーツァルトのオペラ作品「魔笛」がイギリスで映画化され、日本では2007年に公開されました。「魔笛」の存在は、モーツァルトを題材にしたアカデミー賞作品「アマデウス」を観てなんとなく気になっていたのですが、これが非常に面白かった。夜の女王というのがいるのですが、彼女が「パッパッパッパッパッパッパッパッパー」という有名なアリアを歌うアレです。オペラといってもモーツァルトが型破りなので元々楽しくなっているストーリーを、映画監督が現代風の舞台設定にして親しみやすくしています。オペラなんか難しそうで分からないという方でも間違いなく楽しめます。

さて、「私のイチおし・映画編」は私で終わりです。映画編というだけあってイチおしシリーズはまだまだ続きます。食欲の秋、芸術の秋も続きますが、今度の秋は「読書の秋」です。梅島さんから始まる「私のイチおし・読書編」をお楽しみ下さい♪
私の誕生日は先月9月6日で、原さんが9月1日生まれ。そして早坂さんは私と一日違いの9月7日です。金澤さんが8月25日なので、半月間で仙台放送のアナウンサーの実に36%の人が誕生日を迎えました(^^)
写真は会社の方などに祝って頂いた時のケーキ(プリン?なんというのか分からないです。ドリアではないですよ)

さて、仙台で初めて迎えた食欲の秋ですが、早速、仙台ならではの味覚を経験しました。
まずは、はらこ飯です。イクラと鮭の切り身を合わせた鮭の親子丼。シンプルな組み合わせなのに今まで考えてもみませんでした。このコンビに間違いはありませんね!

それともう一つ。仙台の秋といえばの芋煮です。これも初経験!会社の先輩に教わった芋煮の味は格別!今回は仙台味噌で味付けしましたが、これが山形風、秋田風など他にも様々な味が楽しめるということで、ますます仙台の秋の虜になりそうです。


さて、続いては今回一緒に芋煮を食べた板垣さんです。
世界最大のお祭り。それはクリスマスです。ヨーロッパでは12月から1月にかけて長い期間クリスマスで盛り上がります。そのクリスマスで最も印象的な思い出が、大学1年生の時にお台場の公園にて“男祭り”と称してサークルの男子仲間約20人で繰り広げた鬼ごっこ。ルールは泥棒と警察に別れ、3人の泥棒が警察本部に置いてある宝物(この時はなぜか週刊誌「フライデー」の表紙でした)を奪い、警察は泥棒を捕まえて阻止するというもの。アホくさい話ですがお付き合い下さい(^o^;
このゲーム、蓋を開けてみると宝物を奪うのは至難の技。浜辺で砂まみれになりながら追っ手をかわす者、坂や立木などの地形を巧みに利用する者などいましたが、一人また一人と捕まり、悔しさを滲ませた足取りで連行されていきます。クリスマスを楽しむカップルの中にはどういうわけだか、脇腹を押さえて走る私達に温かい声援を送って下さる人も…。そのため硬派を気取る早稲田大学の学生20人はますます調子付き、その額には青春の汗が流れ、男祭りは爽やかに過ぎて行きます。
ところが日も傾きレインボーブリッジが灯る頃、事件発生。泥棒をしていた大学6年目の大先輩が単身、警察本部に乗り込んできた時です。そこにあるはずのフライデーの表紙がなくなっていったのです。先輩は激怒!「なんでないんだよ!」と怒鳴りながら逃げ去る先輩を、私は見送るしかありませんでした。その後、捕まって連行されてきた先輩の怒りは再び頂点に。「本気で怒ってるの?」とポカーンとしている20人の顔から私を見つけ出し、髪をワシ掴みにして「なんで(フライデーが)ないんだよ!」と鬼の剣幕。他の先輩方が間に入って事は収まりましたが、みな呆然。実際は紅一点参加した女性先輩が隠したということでしたが誰もそんな事は言い出せず、たまたま居合わせた私に怒りの矛先が向けられたということでした。20人もいればゲームに対する意欲やルールの徹底に差が出てきます。しかし本物の硬派は例えゲームであっても常に本気であると大先輩の姿から学びました。ただ、本音はそんなのはどうでもいいから、もうちょっと平穏なクリスマスでありたかった…

「まつり」と聞いて真っ先にこの出来事を思い浮かべてしまった私の人生を恥じつつ、次のお題へバトンパスします。
次は《最近食べたウマいもの》。トップバッターは金澤さんです!
8月のアナログは今日で最後。いよいよ秋の入口が見えてきました。写真は7月に中尊寺へ行った時のものです。夏から秋になって自然の楽しみ方も変わってくるでしょう。

さて、自然豊かな日本。私達は生まれながらに自然を愛する環境にいます。そこで、自然を愛する心が今と昔でどう変わっているのか検証します!

まずは昔の話。
時代小説には、いざ討ち入り!という緊迫した決起集会で武士達が突然朗々と即興で歌を読み上げる場面があります。上手・下手に関係なく全員が詠い始めます。派手な討ち入りを期待しているに突如難解な古典和歌が登場して私はいつも戸惑ってしまうのですが、当時はそういう習慣だったようです。このような場合、多くは故郷の自然などを思い出しつつ家族への思いが歌い上げられます。
こういった歌が集められている小倉百人一首には数えてみると「月」という言葉を含む歌が11首あります。「川」は8首、「海」は3首、「山」にいたっては21首もあります。
例えば月を歌った阿倍仲麻呂の歌
「天の原ふりさけ見れば春日なる 三笠の山に出でし月かも」
留学先の中国で月を見て、故郷の月を思い出す望郷歌。
いや~風流です。これが約1300年前。
もう一つ大江千里(○おおえ・ちさと。×おおえ・せんり)の歌
「月見れば千々に物こそ悲しけれ 我が身ひとつの秋にはあらねど」
離れていても、同じ月を見ているだろう女性への思いを歌っています。
いや~風流です。これも約1100~1200年前。
千年以上前にこういった和歌集が作られているのは世界でも極めて稀で、日本人の自然への親しみが伺えます。

そして現代。上記と似たケースを仮定してみましょう。風流心を変わらず持てているでしょうか?
【別れを惜しむ女性に対して】
「月がいつでも僕らを見ていてくれているから、いつも二人は一緒だよ」
………
これはいただけません。間違いなく「バカじゃないの?」と言われるはずです。きっと「オレって渋いな」と思いながら言っているため、にやけ顔に違いありません。本当はそんなこと思っていないはずなので、目が笑っているでしょう。風流心が裏目に出て、本意とは異なる意味でその日はすぐに解散できるはずです。
いや~時代は変わりましたね…

結論:仮定の仕方が下手だった

さあ!次は金澤アナウンサーのお話です!!