Kの思索(付録と補遺)

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物売るってレベルじゃねーぞ!アピールポイントは隠して気付かせろ 〜Kの思索(付録と補遺)vol.33〜

 モノやサービスを提供する上で顧客の満足度を高めるためには、アピールポイントを隠さなければならない。

 

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 自分が何か物を作っていて、ここを推したい、ここを頑張った!というアピールポイントがあったとしても、それを商品説明の時にあまり押し出さない方が良い。何故なら、それによって顧客はそのアピールポイントが100%満足させられることを期待するからである。もしそのアピールポイントが期待外れだった場合、顧客が感じる負の印象はビジネスの成功を大きく阻むことだろう。

 

 ではどうするかというと、アピールしたいポイントをあえて大ぴらにせず、しかしそれを顧客に自発的に気付いてもらうのが良い。その方が顧客から自然に価値を認めて貰えるだろう。このことは一流の営業マンの営業姿勢と非常に似ている。一流の営業マンほど口数が少なく、推したい商品をとても謙虚な姿勢で提案するからだ。例えば「これめっちゃいいですよ!超お得です!買わないとないと損ですよ!無料お試しだけでもどうですか!」とグイグイ迫られるより、「別にこちらの商品、無理に勧めるつもりはないんですけど……」と一歩引いた姿勢で来られた方が話を聞こうという気になるでしょう?


 相手を説得させる時も同じことだ。それがどれだけ合理的な理由でも、マシンガントークでまくし立てられると相手は拒絶反応を示してしまう。相手を説得させるには、相手に自発的に考えてもらう時間が必要なのである。顧客に自発的に考えてもらい、自発的に商品の魅力や価値を発見してもらうこと以上のセールス力は無いのだ。


 その点、以下のブログでも既に書いたが、アパホテルは優秀なのである。

yushak.hatenablog.com

 

 チェックアウト時間が11:00だったり、歯ブラシが極細で柔らかかったり、ベットがふかふかだったり……特段それらをグイグイアピールするのではなく、その価値を自発的に顧客に気付かせているのである。ぐいぐいアピールしているのはむしろあの女社長のうさんくささである(笑)


 思うに、アパホテルの例をとってみても、アピールポイントは小さくて良いし、別に革新的である必要もない。重要なのはただ①顧客の些細なニーズを敏感に読み取って、②それを大量に実現して、③そのアピールポイントを顧客に自発的に気づいてもらうという掛け算なのだ。


 ある程度マーケット感覚がついてくると、日常の様々な場面で頻繁に、上記した①の「顧客の些細なニーズ」が目につくようになる。例えばビックマックはいいかげん箱で提供するのをやめるべきだと思う。持ちづらいし、レタスが溢れてしょうがない。早く紙包みにするべきだ。

 

 また先日、某焼肉屋のサラダバーにハマっているという記事を書いたが、その中で「サラダバーの弱点は皿だ」と述べた。つまり、さまざまなドレッシングを楽しみたいのに、皿が一つだとそれが出来ないというわけだ。だから皿の交換システムがあればいいと思うのだが、そのためにはいちいち店員に交換を依頼しなければならなかった。それくらいなら、初めからサラダバーの所に皿を用意しておいてくれれば良いのにと思う。少し洗い物は増えるかもしれないけれども、顧客の満足度を考えると大したことではない。他にも、サラダバーの「揚げワンタン」が大き過ぎて食べづらいので、もっと細かく、それこそクルトンくらいのサイズにしてくれたらいいのにとかが目に付くのでである。まぁ何だかんだ言いながら3皿くらいおかわりしましたけどね(以下無駄にその時の写真)。

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 上記してきたように、顧客の「こうなってくれたらいいのに」というニーズは大抵些細なものだ。その些細だけどちょっと気になる、という違和感を少しづつでも改善し続けることが重要なのだ。


 アプリのアップデートでもシステムを大きく変えると大抵は不平不満が出るだろう。だがそれと対照的に、システムは基本ベースのまま「そうそう、ここが微妙だと思ってたんだけど」というところをちょっと改善するアップデートこそが喜ばれるのである。人は慣れたものを大きく変えられたくないのだ。このようなマーケット感覚を身につけて、小さい改善を大量に積み重ねること、荒れたグラウンドを徐々に綺麗にならすようにアップデートしていくことが、顧客の心を掴む最も優れた方法だと思うのである。

 

 おまけ

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 サラダでお腹いっぱいなのに頼みすぎた図(笑)

 

 END.