市トップも予約が取れない!? “日本最高峰”の寿司職人 「天寿し」の技に迫る 【福岡発】

2022年11月30日

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“日本で最高峰の腕”といわれる寿司職人が福岡県北九州市にいます。

芸術作品とも称される寿司には、職人の「ある思い」が込められていました。

11月21日、北九州市役所を訪れた1人の男性。

その首元には輝く銅メダルがー。

男性の名前は天野功さん(66)。

北九州市小倉北区で高級寿司店「天寿し 京町店」を営む寿司職人です。

天野さんは11月7日、国から食文化の普及に尽力した料理人に贈られる「料理マスターズ」ブロンズ賞を受賞し、福岡県内では3例目となる快挙を達成。

北橋市長に報告するため、市役所を訪れていたのです。

◆北九州市 北橋健治 市長
「多くの方から日本で1番じゃないかという高い評価をいただいている。そういうお寿し屋さんがいらっしゃることは、本当に我が町の誇りだと思います」

Q.市長は在任中に「天寿し」に行ったことある?
◆北九州市 北橋健治 市長
「いつもいっぱいだという風に聞いています」

北九州市のトップも予約がとれないと嘆く「天寿し」。

メニューは3万8500円の「おまかせ」のみですが、大手グルメサイト「食べログ」が主催する食べログアワードでは、6年連続でゴールドを受賞しているとあって、全国から客の絶えない超人気店です。

今回取材班は、営業時間の合間をぬって、特別に職人の技を見せてもらうことができました。

存在感のある木彫りで作られた看板の前で高級食材をさばく天野さんの表情は、真剣そのものー。

幽玄な雰囲気が漂います。

基本的な味付けは、かぼすと塩のみ。

先代から引き継ぎ、芸術へと昇華したその味付けはいたってシンプル。

しかし、「江戸前」ならぬ「九州前」とも呼ばれるこの繊細な味をもとめて、全国から客が押し寄せて来ます。

天寿しの特徴は、味付けのほかにも、ネタに施す「ひと手間」にあります。

女将さんが焼くのは「しめ鯖」。

片面だけを熟練のタイミングで焼き上げ、シャリと合体。

その堂々とした佇まいは、一つの芸術作品です。

天寿しを代表する1貫、「烏賊(いか)」。

九州近海でとれた新鮮なイカに、かざり包丁を施した一品。

「ウニ」や「トビコ」も添えられます。

ほとんどのネタに九州近海でとれたものを使う天野さん。

その理由には、味や新鮮さに加えてある思いが込められていました。

◆「天寿し京町店」天野功さん
「九州は僕らと生産者の距離が短くあるので、一緒に歩んで来ているからこそ表彰されたのかなって」

生産者と共に歩むからこそ完成する味。

コロナ前の4年前には、地元の寿司店と共同で、生産者やその子供たちに寿司をふるまうイベントも開催しました。

天野さんは、料理人は「生産者の代弁者」であるべきだといいます。

◆「天寿し京町店」天野功さん
「生産者を代弁するのは僕らしかいないので、(生産者は)客が食べている横で、『これはこうやって作ったんですよ』って伝えられないじゃないですか。だから、僕らが握ったときにそれを召し上がるお客様に伝える役目なので。表彰はある意味いろんな料理屋さんの代表として、僕は受けているだけの話だと思うので」

福岡で3例目となる快挙を達成してもなお、謙虚に振る舞う天野さん。

きょうも地元の漁師たちの声を代弁するため、日本中の客に腕を振るいます。

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