川嶋あい デビュー20周年「ファンが驚くようなことを」恒例ライブ終了に「ネガティブになってはいない」

中江 寿 中江 寿

 シンガー・ソングライターの川嶋あい(37)が29日、神戸市内のデイリースポーツ・よろず~ニュースを訪問。デビュー20周年を迎えて「年始からいろんな作品をリリースして、新曲もたくさん発表させていただいてます。これからもファンのみなさんが驚くような、喜んでいただけるようなことを考えて、打ち出して行けたら」と抱負を語った。

 今年はこれまで2月にnaoとのユニット「I WiSH」を再結成して新作をリリース、6月には路上ライブ時代をイメージさせたミニアルバムを発表するなど、意欲的な活動を続けており、今後もファンを満足させるようなプランが進行している。

 キャリアを重ねて楽曲製作にも変化が生まれた。「デビュー当時よりも、ものすごく時間をかけて曲を作るようになりました。本当にこの言葉、メロディーでいいのか、四六時中考えるようになって、最近は作業としてやっています」。〝産みの苦しみ〟が大きくなったが、その分、達成感も格別だという。

 「毎年の集大成」と位置づけている、養母の命日である8月20日に毎年行ってきたワンマンライブのイベントには大切さ、重みを感じている。「毎年終えて、すごく考えが変わったりとか、こういう活動をしていきたいとか、こういう歌を次の作品として発表したいとか。出発点というか分岐点に実はなっていますね」と語る。

 ただ、昨年手術した声帯の回復が芳しくないため、今年をもって終了。「最後にするか、続けられるかというのを、絶望と希望を繰り返しながらの日々ではありました」と振り返り、「最後の決断をしたときに、最高のものを届けたいと思っていた8月20日だからこそ、みなさんが大切に思ってくださってるからこそ、ベストなパフォーマンスの状態でないものを、この日に届ける選択はできなかった」と苦渋の決断の理由を明かした。

 「別にネガティブになっている訳ではなく、新しい自分のアーティストとしての生き方として、最後の8月20日公演を選択した」と決して後ろ向きではない。以降の活動については「それ以外のライブ、製作に関しては、どういう形で活動するかは決めていません」として「終わってから、自分の気持ちのままに決断して、行動していくのでは。その時に答えを見つけたいと思います」と話すにとどまった。

 2012年の神戸マラソンに主催者から誘われて参加したことで、マラソンにすっかり魅了された。「達成感がすごいというか。今も続けています。カゼも引かなくなりました」と笑う。「教育を行き届かせることによって、国が豊かになることを知って」とアジア・アフリカを中心に小学校を建設する活動も続けている。

 「たくさんの人を幸せにすることはできなくても、目の前のたった一人の人に元気になってもらいたいとか、楽しい気持ちになってもらいたいとか、そういう人間になりたいですね」と今後の目標を掲げる。「なかなかできないですけど。自分の人間性を高めたいです」。個人として、アーティストとして。川嶋あいは前を向いている。

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