文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

産業医・夏目誠の「ストレスとの付き合い方」

医療・健康・介護のコラム

「現代型うつ病」の相談が減少…我慢するより転職の選択が

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック
「現代型うつ病」の相談が減少…我慢するより転職の選択が

あかださきこ

 現在、関西で大企業を中心に5社で精神科産業医をしていますが、35歳未満の若手社員の相談内容が変わってきているように思います。2000年ごろから目に付き始めた「新型うつ病」の相談の減少です。「現代型うつ病」という言い方もしています。この病気では、職場や仕事では抑うつ感があるのですが、会社を休んでいる間は旅行など好きなことを楽しめます。こうした訴えを抱える若手が減ってきているのはどうしてか考えてみました。

イライラや不眠の症状

 うつ病は、気分の落ち込みや意欲の低下で日常生活に支障がでるのが主な症状。布団から出られないこともあります。自殺の危険もあるので要注意です。それに対して、過去20年ぐらい話題になってきた「現代型うつ病」と呼ばれる相談例をまず紹介します。24歳の販売企画営業部の山田次郎さん(仮名)が相談に訪れました。

産業医 : しんどそうですね?

山田さん: イライラして、仕事のミスが続いてしまって……。

産業医 : イライラですか?

山田さん: 朝は体が重くて起きられない。眠れないし、頭も重いんです。

産業医 : それで。

山田さん: 仕事のやり方を先輩に相談しても、同じ説明の繰り返しで。

産業医 : 問題をきちんと伝えていますか?

山田さん: えっ、それに気づいて指摘するのが指導者の役目でしょう。課長もなんにもしてくれなくて……。

産業医 : 課長にも相談したんですか?

1 / 3

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

natsume02-prof

夏目誠(なつめ・まこと)

 精神科医、産業医、大阪樟蔭女子大学名誉教授。40年以上13企業の精神科医として従業員の診療や相談、啓発普及(講演1500回)、復職支援に関与しメンタルヘルスの向上に取り組んでいる。人事院・心の健康づくり指導委員会委員、日本産業ストレス学会元理事長。
 著書に Amazon.co.jp:「35歳からのメンタルヘルスー事例でわかる働く人と家族のストレス対策」、「中高年に効く! メンタル防衛術」、「職場不適応サイン」など多数。
夏目誠の公式ホームページ (natsumemakoto.com) 精神科医マコマコちゃんねる - YouTube

過去コラムはこちら

産業医・夏目誠の「ハタラク心を精神分析する」

産業医・夏目誠の「ストレスとの付き合い方」の一覧を見る

コメントを書く

※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。

※個人情報は書き込まないでください。

必須(20字以内)
必須(20字以内)
必須 (800字以内)

編集方針について

投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、読売新聞オンライン、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。

コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。

次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。

  • ブログとの関係が認められない場合
  • 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
  • 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
  • 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
  • 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
  • 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
  • 事実に反した情報を公開している場合
  • 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
  • 個人情報を書き込んだ場合(たとえ匿名であっても関係者が見れば内容を特定できるような、個人情報=氏名・住所・電話番号・職業・メールアドレスなど=を含みます)
  • メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
  • その他、編集スタッフが不適切と判断した場合

編集方針に同意する方のみ投稿ができます。

以上、あらかじめ、ご了承ください。

最新記事