ウェルネスとーく
医療・健康・介護のコラム
[時東ぁみさん](下)4年半にわたる不妊治療 残り2個の受精卵をどうすべきか考えた…長男の誕生日は3月11日
眼鏡姿のタレントとして活躍する時東ぁみさんは、4年半にわたる不妊治療に取り組み、昨年3月11日に第1子を出産されました。不妊治療のこと、そして子育てについて聞きました。(聞き手・山口千尋、撮影・中山博敬)
――2005年に漫画雑誌のコンテスト「ミスマガジン」で「つんく♂賞」を受賞してデビュー、29歳の時にビジュアル系ロックバンド「サイコ・ル・シェイム」のボーカルDAISHIさんとご結婚されました。
子どもが大好きだったので早く自分の子どもを見たかったし、旦那さんがパパになった姿も見たくて、結婚式を終えてからすぐに妊活を始めました。若かったのですぐに妊娠できるかと思っていたら、半年しても妊娠できず。病院で検査を受けましたが不妊の原因は見つかりませんでした。
早く子どもを授かりたいとの思いから、すぐに不妊治療に取りかかりました。タイミング療法、子宮に精子を注入する人工授精に6回トライしましたが、妊娠には至りませんでした。採取した精子を顕微鏡で見ながら卵子に注入して子宮に戻す顕微授精にステップアップすることにしました。
年齢の割に少なかった卵子
――顕微授精となると費用や体にかかる負担も大きくなりますね。
人工授精に挑戦し続けてもよかったのですが、年齢を重ねても意味がないかな……と思い、早めに挑戦してみることにしました。費用の負担は大きかったですね。
採卵してみると取れた卵子は7個。医師から「年齢の割には少ない数」と言われてショックでした。7個のうち、受精させて子宮に戻せるまでに成熟した受精卵は1個だけ。その1個を子宮に戻しましたが着床はしませんでした。この時はさすがに落ち込みましたね。
――つらかったですね。
不妊の原因がないにしても、何かを変えなければならない、と思いました。そこでまず取り組んだのが体質改善です。基本的なことですが、早寝早起きをするようにして、骨盤矯正や筋力トレーニング、漢方を飲み始めるなど、体にいいと思えることはすべて試してみました。そして、不妊治療はいったんお休みしてクリニックを変えることを決めました。
採取できた卵子の数が増えた
――体質に変化はありましたか?
生理痛がなくなりました。1年間お休みしてから採卵してみたところ、前回より年齢を重ねているのにもかかわらず、採取できた卵子の数は増え、最終的に3個の受精卵が育ちました。
早速1個目の受精卵を戻しましたが、妊娠はできませんでした。
残り2個の受精卵をどうすべきか考えた時に、医師から自然な状態で戻してみてはどうか、と提案されました。これまで受精卵を体に戻す時は体にホルモンを補充していたのですが、それをやめてみるという方法です。自然に妊娠できないから科学の力を使っているのに、それを減らして妊娠できるのか心配でしたが、挑戦してみることにしました。
――難しい選択ですね。
しかも、医師からは、「受精卵の質があまりよくありません。残りの受精卵2個は同時に子宮に戻して、どちらか着床できたらいいでしょう」と言われました。「キープできる卵子がなくなってしまう」と不安でしたが、結果は無事妊娠。すごくうれしかったです。奇跡の子だと思っています。
1 / 2
【関連記事】