ウェルネスとーく
医療・健康・介護のコラム
[元プリンセスプリンセス 富田京子さん](下)まったくやる気がなかった「アイドル候補」の女の子5人が、「プリプリ」に生まれ変わった理由
大人への仕返し? 「そんなの忘れちゃった」
――不思議なのはそこです。オーディションでは、ロックを「ガチ」にやっているような人たちは落とされ、メンバー全員「アイドル向き」とされて合格した。なのに、全員の気持ちが一致して、「脱アイドル」「ロックを」と考えた。しかも、1人もメンバーチェンジせずに。そして、わずか2、3年で、今度は「ガチ」なロックバンドのPRINCESS PRINCESSとして生まれ変わっていた。
とにかく「悔しい」だったんですね。会社からは、「売れるようにしてあげるからねえ」みたいに言われ、やりたくないことをやらされた。「人の青春をバカにするな」と思いました。だから、事務所もバンド名も変えて、あの頃関わった人たちを見返してやりたい。意地ですよね(笑)
――そして、あっという間に「19 GROWING UP -ode to my buddy-」「世界でいちばん熱い夏」「Diamonds」など、大ヒットを連発して、人気バンドとして生まれ変わりました。
ライブに来てくれる人が増えてくると、レコード会社も熱くなって、演奏場所もどんどん大きな会場になっていく。売れるってこういうことなんだと思いました。ステージにかける規模が大きくなったり、「夜のヒットスタジオ」みたいな人気テレビ番組に出ることも増えたりしたんですが、メンバー5人の中の空気は変わりませんでした。いつものメンバーで変わらずに曲を作って、練習して、の繰り返しでした。
――ある意味、「大人への仕返し」に成功したわけですね。それも、想像を超えたスケールで。「ざまあみろ」とはならなかったのですか?
いえ、女の子はしたたかですから。「そんなこと、もう忘れちゃった~」みたいな(笑)。むしろ、「次はもっといい曲」「大きな舞台にふさわしい演奏を」と目標が変わっていました。純粋でしたね。
2 / 5
【関連記事】