元女子プロレスラー ブル中野さん
一病息災
[元女子プロレスラー ブル中野さん]アルコール性肝硬変(2)引退後に15歳年下男性と結婚、東京・中野に飲食店開く
1988年、ヒール(悪役)の筆頭格だったダンプ松本選手がいったん引退を決めると、全日本女子プロレスを背負う立場になった。海外にも遠征、米国のプロレス団体WWEの女子ヘビー級チャンピオンベルトを日本人として初めて奪取。メキシコでは、CMLLという団体の初代チャンピオンに輝いた。
ところが、米国で試合中、左膝の 靱帯 を断裂。得意技のギロチンドロップを繰り出す際に、コーナーポストに上るのがわずかに遅れるようになった。「その一拍の間のせいで、お客さんが沸かない」。失意のまま、引退試合も行わず、ひっそりとリングを去った。97年のことだった。
第二の人生では、プロゴルファーを目指し、米フロリダ州へ。10年近く頑張ったものの、プロになる夢は果たせなかった。
転機は、帰国後に訪れた。2010年、格闘技の道場で出会った男性と結婚した。15歳年下で、現役時代をよく知らないせいか、思ったことを率直に言ってくれた。
化粧もせず、人目を忍んで暮らしていた姿を見て、「頑張って活躍していたのに、ブル中野だということをなぜ隠すの?」と、度々問われた。次第に、気持ちが動き、リングネームにちなんで、東京・中野に飲食店「中野のぶるちゃん」を開いた。客から店主へと立場が変わっても、豪快な飲みっぷりは相変わらずだった。
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元女子プロレスラー ブル 中野 さん(54)
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