女優 仁科亜季子さん
一病息災
[女優 仁科亜季子さん]4回のがん(1)最初のがんは38歳 子宮と卵巣を摘出…その後、小腸や大腸にも
歌舞伎役者の家に生まれ、母や姉に続いて、自らも19歳の時にNHKドラマで女優デビューし、華やかにキャリアをスタートした。俳優の故松方弘樹さんとの結婚を機に5年半で引退して主婦に。2人の子どもに恵まれたが、結婚生活は20年で結末を迎え、47歳で女優に復帰した。
その人生の中で、4回もがんを経験するとは……。38歳で子宮 頸 がん、46歳で希少がんのGIST(消化管間質腫瘍)、55歳で小腸と盲腸、61歳で大腸のS状結腸のがんになった。
「それでもこうして元気で仕事を続けているのですから、幸福ながん患者なのかもしれません」。苦労を感じさせず明るく笑う。
しかし、その都度、動揺した。特に最初の子宮頸がんとわかった時の衝撃は大きかった。
当時は、夫の仕事の関係で京都にいて、長男は8歳、長女は6歳とまだ幼かった。医師からの告知を一人で聞いた後、病院の駐車場の車内で2時間以上、泣き続けた。「子どもたちのために絶対死ねない」と強く思った。
抗がん剤、子宮と卵巣の摘出手術、放射線治療を受け、入院は4か月にも及んだ。手術後はリンパ浮腫で足がひどくむくんだ。さらに手術時の輸血でC型肝炎に感染。手術から2年後、激しいだるさに悩まされたが、その後は落ち着いている。一方、リンパ浮腫は手術から30年たった今も残る。それでも随分楽になった。
◇
女優 仁科亜季子 さん(68)
【関連記事】