※日経エンタテインメント! 2023年7月号の記事を再構成

「日経エンタテインメント!」が調査したタレントパワーランキング2023の音楽編で、急上昇ランキング2位にランクインした超特急(記事「1位ヨルシカ、2位超特急 『急上昇』音楽アーティストランキング」参照)。アリーナクラスで定期的にライブを開催するなど、ライブパフォーマンスに定評のある9人組ボーイズグループだ。CDデビュー10周年となった昨年、新たにメンバーオーディションを行い、シューヤ(ボーカル)とマサヒロ、アロハ、ハル(いずれもダンサー)の4名が新加入した。

写真左上から時計回りに、シューヤ(11号車)、リョウガ(3号車)、ハル(14号車)、ユーキ(5号車)、マサヒロ(12号車)、アロハ(13号車)、タクヤ(4号車)、タカシ(7号車)、カイ(2号車)。23年3月に9人体制で初のアルバム『B9』を発売。5月リリースの配信シングル『Call My Name』はドラマ『ホスト相続しちゃいました』(フジ系)主題歌に起用
写真左上から時計回りに、シューヤ(11号車)、リョウガ(3号車)、ハル(14号車)、ユーキ(5号車)、マサヒロ(12号車)、アロハ(13号車)、タクヤ(4号車)、タカシ(7号車)、カイ(2号車)。23年3月に9人体制で初のアルバム『B9』を発売。5月リリースの配信シングル『Call My Name』はドラマ『ホスト相続しちゃいました』(フジ系)主題歌に起用

 オタク系リーダーのリョウガ、ボーカルを務めるタカシ、知的でミステリアスなカイ、ダンスリーダーのユーキ、俳優としても活躍するタクヤといったオリジナルメンバーに負けず劣らず、新メンバーの個性も彩り鮮やかで、新旧が絶妙な調和を醸し出している。新体制後は、パワーアップした姿をイベントやフェスで積極的に披露している。今回、「タレントパワーランキング」の音楽部門で急上昇2位だと告げると、9人の口から次々に感想が飛び出した。

ユーキ それ、ほんとですか!?

タカシ 自分たちでは上昇する理由がいまいち分からないです(笑)。

カイ たくさんの方に関心を持っていただけた結果なので、純粋にうれしいです。期待に恥じない活躍をしなきゃいけないなと身が引き締まる思いですね。

リョウガ 新体制になった影響は大きそうだよね。

ハル うれしい半面、新メンバーとしては過去を超えるではないですが、常に最高を作り出さないといけないという気持ちになります。

マサヒロ 新メンバーとして加入が決まった後に友達に会ったら、名前じゃなくて、自分の号車番号の「12号車」と呼ばれました(笑)。

シューヤ あるある! 僕は街中で声をかけていただく機会が増えましたね。この前、カフェスタンドでマーくん(マサヒロ)推しの8号車(超特急ファンの愛称)の方がコーヒーを手渡してくれました。

タカシ 新メンバーが新たに8号車さんを連れてきてくれたというのはあると思います。

ユーキ 新体制になってから、イベントやフェスにたくさん呼んでいただけたのも大きいです。僕らはライブで成長してきたという自負もあり、フェスのようなアウェイも割と得意なので、爪痕を残せるようなライブを意識したのが良かったのかなと。

アロハ そうやってライブに向けて振りを固めるなど、9人で1つのものを作る機会が多かったことで、自然と結束力も高められたと感じます。

タクヤ 人数が増えたぶん、振りをそろえる精度を高めなきゃいけないけど、全体のパワー感や圧みたいなものはぐっと増したし、よりライブ映えするようになりましたね。あと、大所帯だからゴハンのときも自然に会話が弾むなと。

リョウガ まだ半年ちょっとしかたっていませんが、こんなふうにガチャガチャうるさいし(笑)、なじんでますね。僕がオーディションでマストにしたのが「変顔」だったので、いい変顔をするメンバーしか選ばれていません。ハルはスタッフさんに止められるほど、しょっちゅう変顔してます(笑)。

CDデビュー10周年となった2022年は、4月に新メンバー募集「超特急募」を行い、8月に新メンバーを発表。SNSを沸かせた7月期ドラマ『みなと商事コインランドリー』にはタクヤが主演した。9月にグループ初のドラマ『超特急、地球を救え。』の放送など、露出が増加。12月、9人体制で初のアリーナ公演を開催し、持ち味のライブで魅力を発揮して注目を集めた。また、世代別のパワースコアを見ると、バラエティー力の高さが、男性人気にもつながっていることが分かる
CDデビュー10周年となった2022年は、4月に新メンバー募集「超特急募」を行い、8月に新メンバーを発表。SNSを沸かせた7月期ドラマ『みなと商事コインランドリー』にはタクヤが主演した。9月にグループ初のドラマ『超特急、地球を救え。』の放送など、露出が増加。12月、9人体制で初のアリーナ公演を開催し、持ち味のライブで魅力を発揮して注目を集めた。また、世代別のパワースコアを見ると、バラエティー力の高さが、男性人気にもつながっていることが分かる

新体制で歌もダンスも増強

 2011年にダンサー5人、ボーカル2人でスタートしたが、脱退などで20年からは5人体制で活動してきた。新メンバーを迎えるオーディションに踏み切ったのは、オリジナルメンバー5人の強い思いや危機感があったためだろう。事実、タカシはボーカルオーディションの延長を嘆願したという。

タカシ 本人を前に言うのは気恥ずかしいですが、延長してもらったおかげでシューヤがすべり込みで応募してくれました。シューヤはこれまでメーンボーカルとして活動してきた経験があるから、アルバム『B9』でもいろんなアイデアを提案してくれました。今までとは違うアプローチでコーラスやハモリのバリエーションも増えましたし、これまで悩んでも自己完結で済ますしかなかったことも助言をくれます。いろんな気づきや刺激をもらっています。

シューヤ 以前のグループでは、ラップやサブボーカルと一緒に活動していたので、メーンボーカルがもう1人いる環境で歌わせてもらうのは初めてなんです。9人体制による初の単独公演だった昨年12月に、2人の声が生で合わさったときはめちゃめちゃ気持ち良かったし新鮮でした。

ユーキ 9人体制になってまず全曲の振りを作り直し、覚え直す必要があったので、それは大変でした。でも、そのぶんフォーメーションや見せ方のバリエーションが増えて、これまであまり曲中にできなかった“出はけ”も自然と取り入れられるようになりました。マサヒロやアロハなどはバク転、ハルはアクロバットができるので、迫力や華のある見せ方も可能になりました。なにより9人が1つにまとまった瞬間のエナジーが強いので、見てくださる人にも印象付けられると感じますね。

タクヤ うん。僕も物理的にグループ全体の迫力が増したと感じますね。振りがそろってるとより一体感が生まれるし、ステージの端のほうまでメンバーを配置して、会場を広く使えるようになりました。楽曲を目でもより楽しんでいただけるようになったのかなと思います。

 短期間に濃密な時間を過ごし結束を固めた9人。結成当初からの目的地である東京ドームを見据え、足並みをそろえて突っ走り始めているようだ。

カイ フェスなどに出させていただくと、超特急は「これから盛り上がっていくぞ!」というタイミング、トリの前などの出番が多いんです。10年以上やってきたとかは関係なく、フェスは盛り上げたもん勝ちだと思うので、「こいつらに任せれば大丈夫」と思ってもらえているのかなと。そうした、最強の中継ぎピッチャーが今の超特急の立ち位置なんだろうなと感じますね。その役目をしっかり果たしつつ、例えば、「イナズマロックフェス」では、主催者の西川貴教さんではなく、UVERworldさんがトリを務めることもありますよね。そんなふうにトリを任せていただける存在になりたいです。

リョウガ 僕が疎いからかもしれませんが、超特急って、他の男性グループをあまり意識したことがないんですよ。同じ土俵ではくくれないような、枠を越えたことにもたくさん挑戦させてもらってきましたし、比べようがないというか。なので、これからも我が道をより力強く進めたらいいなと。

ハル 個性豊かな9人が一丸となって突き進むことで、応援したくなるような、付いていきたくなるようなグループになっていけたらなと。そのためにもソロでの活動もがんばりたいですね。

シューヤ 個人的には、メンバーがもっとSNSの運用に積極的に関わってもいいのかなって。ユーキくんが、TikTok上にダンス動画を毎日上げてるのはすごく大事だなと思うし尊敬しています。9人全員がもっと発信する力を高めたら、そのぶん可能性も広がるんじゃないかなと思います。

マサヒロ フェスとかでライブでのMCを聞いていると、めちゃめちゃ面白くて自分で見返しても笑っちゃうくらいなんです(笑)。そういう親しみやすさに、今年の目標である「Cool&Stylish」を両立できるよう、ダンスではよりかっこよく見せるスキルを高めたいですね。

アロハ そのためにも、強みである超特急らしさに、はやりのダンスも取り入れたいですね。トレンドを先読みして、超特急流に落とし込めたら今まで響かなかった人たちにも届くんじゃないかなと。2月にタイで「JAPAN EXPO THAILAND 2023」に出演させてもらったのですが、僕らが盛り上げたぶん、反応がすごく返ってきてうれしくなりました。アメリカや韓国など、ダンス音楽が人気の国々でライブをしたいなと思いました。タイは今、音楽マーケットとしても注目されている場所なので、また、タイに行き~

全員 タイ!(一同笑い)

2023年2月3日~5日にかけて、タイのバンコクで開催されたアジアで最大級のオールジャパンイベント「JAPAN EXPO THAILAND 2023」に出演。DAY1、DAY2、DAY3と、3日間全てで屋外や屋内のステージでパフォーマンスを披露し、現地のオーディエンスとともに会場を盛り上げた
2023年2月3日~5日にかけて、タイのバンコクで開催されたアジアで最大級のオールジャパンイベント「JAPAN EXPO THAILAND 2023」に出演。DAY1、DAY2、DAY3と、3日間全てで屋外や屋内のステージでパフォーマンスを披露し、現地のオーディエンスとともに会場を盛り上げた

(写真/中川容邦)

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