2022年5月2日発売の「日経トレンディ2022年6月号」では、「格安キャンプ道具100」を特集。原作漫画を忠実に再現したドラマ「ゆるキャン△」で、各務原なでしこ役を演じたのが大原優乃だ。このドラマのヒットは、大原が役者として躍進するきっかけにもなった。「『ゆるキャン△』の原作こそ私のキャンプの教科書」と話す大原に、ドラマへの想いやキャンプでの思い出を聞いた。

※日経トレンディ2022年6月号より。詳しくは本誌参照

「原作こそ私のキャンプの教科書」と話す大原優乃
「原作こそ私のキャンプの教科書」と話す大原優乃
大原優乃(おおはら ゆうの)
1999年10日8日生まれ、鹿児島県出身。09年、ダンス&ボーカルグループ・Dream5を結成。現在は女優・グラビアアイドルとして活動。主な出演作は「ゆるキャン△」シリーズ(テレビ東京)、「真夜中にハロー!」(テレビ東京)、「あせとせっけん」(MBS)など

 原作漫画を可能な限り忠実に再現したドラマ「ゆるキャン△」(テレビ東京)は、シーズン2も制作される人気作となった。撮影は原作に登場するキャンプ場のモデルとなった場所で実際に行われ、原作キャラクターの再現度の高さも評判を呼んだ。中でも、ハイテンションで周囲を明るくする各務原なでしこ役を演じた大原優乃は、その自然な演技で注目を集めた。

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 なでしこ役はオーディションでいただいたのですが、原作の人気が高く責任のある役なので、シーズン1では撮影が終わった帰り道に一人で泣いてしまうぐらいプレッシャーを感じていました。漫画のように「フォーッ!」と語尾に小さい“ツ”が付くセリフがあったりして、実写で再現するのが特に難しかったです。でも周りのキャストやスタッフの皆さんのおかげで最後まで演じきれて、本当にありがたかったです。

「ゆるキャン△」の撮影が始まる前は、事務所のスタッフさんでキャンパーの方が主催する大勢のキャンプに数回参加したことしかありませんでした。でも撮影でキャンプ場に行く際に、寒さ対策としてキャンプウェアを少しずつ買いそろえてみたり、暗い中での撮影用にランプを買ってみたり、徐々にギアを購入するようになりました。

 キャスト同士の仲が本当に良くて、(志摩)リンちゃん役を演じた福原遥ちゃんと同じところでウェアを買うことも多く、現場ではおそろいの上下のキャンプウェアを着ていましたね。お世話になっているスタッフさんからは、いつか買おうと思っていたコールマンのリクライニングチェアをいただきました。ただコロナ禍ということで、まだプライベートのキャンプでは使えていないんです。自宅のベランダに出して寝そべっています(笑)。

 ドラマへの出演をきっかけに、キャンプに関するお仕事をいただく機会もすごく増えました。『ゆるキャン△』の原作が、私にとってのキャンプの教科書。だからプロキャンパーさんやキャンプ芸人さんとのお仕事で、「着火剤は松ぼっくりでも代用できるんですよね」とか、原作で得た知識を話していました(笑)。思わず『ゆるキャン△』愛がこぼれちゃうんです。

ドラマがきっかけで実際にソロキャンにも挑戦

 聖地でのロケが多かった中、特に印象深いキャンプ場についても聞いた。

 シーズン2でなでしこが初めてのソロキャンで行った富士川キャンプ場です。キャンプ経験のなかったなでしこがリンちゃんと出会ったことでキャンプにハマり、ついにソロキャンをやるまでになった。そこまでのストーリーを大切に描いてきたからこそ、思い入れの深いキャンプ場です。夜景を見ながらこれまでのキャンプや仲間のことを思い出すシーンがあったのですが、実際に夜景がすごく奇麗で、演じながらも感動したことを覚えています。

 リンちゃんと二人でキャンプをしたふもとっぱらも思い出深いです。人気のあるキャンプ場ですが、撮影のために一部のエリアを貸し切らせてもらい、朝焼けを見るシーンでは何も遮るものがない状態で富士山と朝日が見られて感動しました。キャンパーなら誰もが見たいと願うであろう、贅沢な特等席だったと思います。

『ゆるキャン△』はソロキャンブームの追い風にもなった。そこで大原はどんなキャンプをしてみたいか聞いた。

 私はソロキャンより断然グルキャン(グループキャンプ)派ですね。ただ、なでしこは一人でキャンプをしているはずなのに、ふとした時にリンちゃんや野クル(野外活動サークル)のみんなのことを思い浮かべている。一人の世界に没頭するからこそ楽しめることもあると思うのですが、ソロキャンプ中に一人だけど一人じゃないという感覚を覚えることで、またグルキャンが楽しみになるんだなと思いました。

 いろいろなタイプのキャンプ場で撮影しましたが、特に山のキャンプ場が好きです。『ゆるキャン△』では、野クル(野外活動サークル)のメンバーが湖畔や海のキャンプ場に行くエピソードがありましたが、寒がるお芝居が本当に寒そうに見えたので、キャンプ初心者の私が行くと痛い目に遭うんじゃないかと(笑)。だから、湖畔や海のキャンプ場にはもっとキャンプに慣れてから行きたいですね。

 大原は21年8月にYouTube公式チャンネル「ゆーのちゅーぶ」を開設。『ゆるキャン△』聖地で初めてのソロキャンを行う動画なども公開している。

「焚き火をするためにキャンプに行っている」とキャンプに行く度に感じます。火を起こして、その火を育てながら眺めているだけで落ち着くし、自分で起こした火で食事ができて、暖も取れる。火のありがたみを感じる瞬間がすごくうれしいんです。

『ゆるキャン△』飯を完全再現する企画もやりました。ホットサンドメーカーで作る肉まん焼きのおいしさを忘れられなくて、キャンプに行ったら毎回必ず作りたいと思っています。『ゆるキャン△』飯はどれも絶品なので、全部制覇したい。特に担々餃子鍋にチャレンジしてみたいです。

 あと、なでしこが“THE 日本の朝ごはん”みたいな、白いご飯と納豆とみそ汁の朝食を作っていましたが、私も和食が好きなので、同じような朝ごはんも作りたいです。野外で食べるご飯は、カップ麺一つに対してもいつもの何倍ものありがたみと幸せを感じますし、その日常との対比を味わいたくてカップ麺も食べたくなります。

 ドラマ「ゆるキャン△」のヒットは、09年からダンス&ボーカルグループ、モデル、グラビアアイドルと様々な活動をこなしてきた大原が、役者として躍進するきっかけにもなった。

 最近はお芝居を軸にいろいろな新しいことに挑戦させてもらっています。大変なときも多いですが、実はすごく負けず嫌いなんです。だから何に対しても一度は挑戦して、「私だからできるやり方はないかな」と考えています。

 今は“大原優乃”のイメージに近い役柄をいただくことが多くて、私もそこに救われている部分もあります。でもそのイメージとはまた違う、深い陰のあるような役柄や、体を動かすことが好きなのでアクションシーンも、今後はやってみたいです。

(写真/平岩 享)

注)格安キャンプ道具100は、「日経トレンディ」2022年6月号に掲載しています。日経クロストレンド有料会員の方は、電子版でご覧いただけます。
▼関連リンク 「日経トレンディ」(電子版)
「日経トレンディ2022年6月号」の主な内容を紹介
【格安キャンプ道具100】
●U4万円! 初心者が買いそろえるべきソロキャン最強グッズを選定
●超格安でも機能は十分? ワークマンのキャンプグッズを検証
●プロが推薦! 格安キャンプ道具逸品カタログ
●即席シャワー、簡易ハンモック…などアイデア逸品が続々
●「ゆるキャン△」一大ブームの背景、新作映画公開、作中登場グッズ集
●インタビュー 「ゆるキャン△」各務原なでしこ役
 花守ゆみり(アニメ版)/大原優乃(ドラマ版)
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