ドジャース 山本由伸 オープン戦初登板 2回無失点3奪三振

大リーグ、ドジャースの山本由伸投手がオープン戦に初めて登板し、2回を無失点に抑えて3つの三振を奪う順調なスタートを切りました。

大リーグ1年目の山本投手は28日、アリゾナ州サプライズで行われたレンジャーズとの試合で、オープン戦で初めて先発登板しました。

レンジャーズは昨シーズン、ワールドシリーズ優勝を果たしたチームで、山本投手は1回、昨シーズン、ホームラン29本、100打点と活躍した1番のシミエン選手と対戦して、この日、最速となる154キロの速球で空振り三振を奪いました。

続く2番バッターにはセンター前ヒットを打たれましたが、3番バッターをサードゴロのダブルプレーに打ち取って、この回を無失点に抑えました。

2回は左バッター3人と対戦し、先頭の4番バッターをスプリットで空振り三振、続く5番バッターをレフトフライ、6番バッターからは再びスプリットで空振り三振を奪い、この回でマウンドを降りました。

山本投手はオープン戦初登板で2回を投げてヒット1本、3つの三振を奪い無失点。

球数は19球で、このうち16球がストライクと、持ち味のコントロールのよさもアピールしました。

28日のオープン戦でホームランを打ったドジャースの大谷翔平選手はこの試合は出場しませんでしたが、相手のキャンプ地の試合にもかかわらず、ベンチで山本投手の初登板を見守り、マウンドを降りた山本投手と投手コーチを交えて話をする場面もありました。

山本投手は3月20日と21日に韓国のソウルで行われるパドレスとの開幕シリーズで大リーグ初登板を飾るか注目されていて、開幕に向けて、まずは順調なスタートを切りました。

大谷選手 次の出場は日本時間2日ガーディアンズ戦か

前日にオープン戦に初出場し、ホームランを打った大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手はグラウンドには出ずにダッシュなどで調整しました。

次の出場は1日、日本時間2日のガーディアンズ戦になる見通しです。

27日にドジャース移籍後、初めての実戦となるオープン戦に出場し、ホームランを打った大谷選手は一夜明けた28日、アリゾナ州グレンデールで行われているキャンプで調整しました。

この日はグラウンドには出ず、屋外の芝生の上で腰につけたワイヤーで負荷をかけながらダッシュを繰り返していました。

練習前に取材に応じたドジャースのロバーツ監督は大谷選手の今後のスケジュールについて、「29日、実戦形式の打撃練習を行い、3月1日にラインナップに戻ってくる予定だ」と話し、次は日本時間2日に行われるガーディアンズ戦に出場する見通しとなりました。

山本由伸「落ち着いてテンポよく投げられた」

試合後に取材に応じた山本由伸投手は「落ち着いてテンポよく投げられた。違うチームのバッターに投げるのが初めてだったので、無事登板できてよかった。変化球もいい感覚で投げられたので、よかった部分が多かったと思う」と納得の表情で振り返りました。

昨シーズンのワールドチャンピオンの打線に対しても、「しっかり落ち着いて投げることを意識していた」ということで、「狙ったところにきっちり投げられているわけではないので、細かいところだがシーズンに向けて調整していきたい。イニングが増えたとき、体や投球に課題が出てくると思うので、もっと上げていけたら、いい開幕が迎えられると思う」と、冷静に今後の課題をあげました。

そして、初めてドジャースのユニフォームを着て登板したことについては、「日本から来たという大きな変化があって、とりあえず1試合目を投げられてほっとしているし、これからも頑張ろうと思った」と話しました。

2回に3アウトをとったあと、マウンドに戻ったことについては、「3アウトかなと思ったが、なにか雰囲気が違ったので、『間違ったかな』と思って戻ってしまった」と苦笑いでした。

また、試合を見に来ていた大谷選手とは登板後にことばを交わし、「まずまずだな」と言われたということで、「来てくれると思わなかったのでありがたいです」と笑顔で話していました。

ロバーツ監督「すばらしい2日間」

ドジャースのロバーツ監督は試合後、山本投手の投球について、「ストライクゾーンに正確に投げ込み、多くの空振りや凡打をとっていて効率的な投球だった。彼は自分にとても高いハードルを設定しているし、完璧な信念に基づいてピッチングをしている」と評価しました。

そして、「きのうの翔平のデビュー、きょうの由伸のデビューと、すばらしい2日間を過ごしている」と、前日の大谷翔平選手に続いて山本投手も順調なスタートを切ったことを喜んでいる様子でした。

先発ローテーションの中での山本投手の起用法については、「週に1回の投球というのは彼が慣れたものではないし、時々、違うピッチャーを使いながら、彼の休みを増やすことになるだろう。他のピッチャーも休みが必要なことはあるので、6人や5人という固定したローテーションにはしないと思う」と、疲れなどを考慮しながら柔軟に運用する考えを示しました。

また、大谷選手が観戦にかけつけたことについて、「由伸にとって、とても特別なことだと思う」としたうえで、山本投手が2回終了時にアウトカウントを勘違いしたことについて問われると、「翔平が『大リーグはアウト4つまでだ』と教えてたんじゃないかな」と冗談をまじえて話していました。

《山本の投球詳細》

山本投手のオープン戦初登板のピッチング内容です。

【1回】

1番・シミエン選手(右)
(1) 152キロ ファウル
(2) 123キロ ファウル
(3) 133キロ ファウル
(4) 144キロ ボール
(5) 154キロ ボール
(6) 154キロのストレートで空振り三振。

2番・カーター選手(左)
(1) 122キロ ボール
(2) 154キロのストレートをセンター前ヒット。

3番・ラングフォード選手(右)
(1) 152キロ 空振り
(2) 148キロ ストライク
(3) 154キロのストレートでサードゴロダブルプレーに打ち取る。

1回は11球。

【2回】

4番・ロウ選手(左)
(1) 151キロ ストライク
(2) 119キロ ストライク
(3) 144キロのスプリットで空振り三振。

5番・ハイム選手(左)
(1) 151キロのストレートでレフトフライ。

6番・タベラス選手(左)
(1) 152キロ ファウル
(2) 148キロ ボール
(3) 152キロ ファウル
(4) 146キロのスプリットで空振り三振。

2回は8球。

(合計19球)。

タベラス選手から三振を奪った直後、3アウトをとったことを忘れ、アウトカウントを勘違いして笑顔を見せた山本投手。

ベンチの大谷選手が「帰ってこい」とジャスチャーで伝える場面もありました。

また、オープン戦の球場のため球種は表示されませんでしたが、登板後、山本投手はストレート、カットボール、カーブ、スプリットの4つの球種を投げたことを明かしました。