大相撲8日目 大関 貴景勝が3敗目 朝乃山に敗れる

大相撲九州場所は中日8日目、2場所連続優勝を目指す大関 貴景勝は、19日から出場を果たした大関経験者の朝乃山に敗れて3敗目を喫しました。

貴景勝は7日目の18日、高校の後輩でもある平幕の豪ノ山に敗れて、2敗目を喫しました。

中日8日目の19日は左足のけがで初日から休場し、19日から出場を果たした大関経験者の朝乃山と対戦しました。

貴景勝は突き押しで土俵際まで攻め込んだものの、まわしを取られ、「下手投げ」で敗れて2連敗となり、3敗目を喫しました。

三役以上で1敗だった2人の力士は、
▽大関 豊昇龍が過去3連敗中だった平幕の錦木に「小手投げ」で敗れ、
▽関脇 琴ノ若も、大関経験者の正代に「寄り切り」で敗れて
ともに2敗に後退しました。

このほか、大栄翔と若元春の関脇2人も敗れ、中日は大関2人と関脇3人が敗れる波乱となりました。

18日初黒星を喫した平幕の一山本は36歳の宝富士に「突き落とし」で勝って連敗はせず、中日を終えて単独トップに立ちました。

中入り後の勝敗

▽十両の碧山に新入幕の北の若は北の若が「寄り切り」。

▽新入幕の美ノ海に友風は美ノ海が「押し出し」。

▽一山本に宝富士は一山本が「突き落とし」で勝って7勝目。
勝ち越しまであと1勝としました。

▽新入幕の狼雅に王鵬は王鵬が「押し出し」。

▽玉鷲に新入幕の東白龍は玉鷲が「小手投げ」。

▽錦富士に佐田の海は佐田の海が「寄り倒し」。

▽平戸海に剣翔は平戸海が「寄り切り」で勝ちました。

▽琴恵光に遠藤は遠藤が「上手ひねり」。

▽竜電に北青鵬は竜電が「下手出し投げ」。

▽御嶽海に湘南乃海は御嶽海が「寄り切り」。

▽隆の勝に熱海富士は熱海富士が「小手投げ」で勝って連敗を2で止め、6勝目を挙げました。

▽金峰山に阿武咲は金峰山が「突き落とし」。

▽翠富士に妙義龍は翠富士が「すくい投げ」。

▽明生に翔猿は翔猿が「引き落とし」。

▽宇良に高安は高安が「はたき込み」で勝ちました。

▽阿炎に大栄翔は阿炎が「引き落とし」。

▽正代に琴ノ若は正代が「寄り切り」。
琴ノ若は6連勝のあと2連敗となりました。

▽若元春に豪ノ山は豪ノ山が「押し出し」。

▽朝乃山に大関 貴景勝は朝乃山が「下手投げ」。
貴景勝は18日に続く連敗で3敗に後退しました。

▽大関 豊昇龍に錦木は錦木が「小手投げ」。
豊昇龍は2敗目となりました。

▽大関 霧島に北勝富士は霧島が「送り出し」で勝ちました。

審判長 “貴景勝 今場所後の横綱昇進 厳しい”

横綱審議委員会は横綱に推薦する条件として「大関で2場所連続の優勝」を原則とし、「これに準ずる成績をあげた力士を推薦する場合は、出席した委員の3分の2以上の決議が必要」と内規で定めています。

2場所連続優勝を目指した大関・貴景勝については、横綱審議委員会の山内昌之委員長がことし9月に「多くの条件や前提が満たされれば『綱とり』という期待がかかるのではないか」と述べた一方、横綱昇進の議論を預かる日本相撲協会の審判部は、先場所が11勝4敗での優勝だったことなどを踏まえ、今場所に綱とりがかかるかは明言はしていませんでした。

こうした中、19日の幕内後半の審判長で審判部の副部長を務める粂川親方は取組後に取材に応じ、3敗目を喫した貴景勝について「慌てているし内容が悪い。勝ち越しも、と言われるようになってしまう」と話しました。

その上で、今場所後の横綱昇進について報道陣に問われると「上というのは厳しいでしょうね」と述べました。

各力士の談話 貴景勝「あしたも頑張るだけ」

2場所連続優勝を目指す貴景勝は、19日から途中出場した大関経験者の朝乃山に敗れて3敗に後退し「いつもどおり。あしたも頑張るだけだ」とことば少なでした。

勝って初勝利の朝乃山は「途中出場は初めてで、土俵下では足が震えていた。勝ちも大事だけど内容も必要。途中出場できたことに感謝の気持ちを持って、勝ち負けを気にせず思い切り相撲をとりたい」と話していました。

小結・北勝富士に勝って2敗を守った大関・霧島は「相手が強い圧力できていたので落ち着いてやった。体はしっかり動いているので自分の相撲を取るだけ」と淡々と話していました。

平幕の錦木に敗れ2敗目を喫した大関・豊昇龍は、取材に応じませんでした。

一方、勝った錦木は「順調と言えば順調。千秋楽までにとりあえず勝ち越す」と笑顔で話していました。

関脇・琴ノ若は大関経験者の正代に敗れて2連敗となり、「土俵際でもっときっちり攻めていければいいと思う。しっかりあしたからいい相撲を取れるようにしたい」と気持ちを切り替えていました。

18日までに大関2人を破り、19日は関脇・若元春に勝った平幕の豪ノ山は「前に出られて、星も五分になったのでよかった」と手応えを口にしました。

ただひとり1敗の返り入幕の一山本は、「1敗してずるずるいくと止まらなくなるので、連敗しなかったのがよかった。成長できている。目の前の一番しか見えていない」と話していました。