IOC理事会 ロシアのオリンピック委員会を無期限の資格停止に

IOC=国際オリンピック委員会は12日、インドで理事会を開き、ロシアのオリンピック委員会について、ウクライナの一部のスポーツ組織を一方的に編入したとして、無期限の資格停止とする処分を決めました。一方で、ロシアの選手が『中立』の立場の個人であれば来年のパリオリンピックに出場できるかどうかは、今後、判断するとしています。

IOCはインドのムンバイで、12日から理事会と総会をそれぞれ3日間ずつ行います。

12日は理事会の初日の審議が行われ、終了後、マーク・アダムス広報部長らが会見しました。

この中でアダムス広報部長は「ロシアのオリンピック委員会がウクライナのオリンピック委員会の権限下にある一部の地域を一方的に編入したことはオリンピック憲章に違反する」などとして、ロシアの委員会を無期限の資格停止とする処分を決めたことを明らかにしました。

ただ、国や地域を代表しない『中立』の立場と認められる個人の選手に限って、国際大会への参加を認めるなどとする従来の方針は変わらず、来年のパリオリンピックにロシアの選手が出場できるかどうかは今後、判断するとしています。

今回の理事会と総会では、札幌市が2030年の招致を断念した冬のオリンピックの開催方式や、2028年夏のロサンゼルスオリンピックの追加種目などについて議論が交わされる見通しです。

ロシアのオリンピック委員会 IOCの決定を非難

これについて、ロシアのオリンピック委員会は12日、声明を発表し、「IOC=国際オリンピック委員会は明らかに政治的な動機に基づいて、またも非生産的な決定を下した。われわれは主権国家として、選手や団体の利益を守っていく」として、IOCの決定を非難しました。