将棋「王位戦」第3局 藤井七冠が勝利 タイトル防衛に王手

将棋の八大タイトルの1つ、「王位戦」七番勝負の第3局が北海道小樽市で行われ、タイトルを持つ藤井聡太七冠(21)が挑戦者の佐々木大地七段(28)に勝ち、「王位戦」4連覇と今年度3つ目のタイトル防衛に王手をかけました。

「王位戦」七番勝負の第3局は25日、北海道小樽市で始まり、2日目の26日は先手の藤井七冠が25日の対局終了時に次の1手を書いた「封じ手」から再開しました。

午前中、後手の佐々木七段が2時間半を超える長考をすると、藤井七冠もおよそ1時間の長考を挟みながら攻撃の糸口を探ります。

その後、終盤にかけて佐々木七段の残り時間が少なくなる中、藤井七冠は次々と攻めて相手の守りを崩していきます。

追い詰められた佐々木七段は午後7時1分に131手までで投了しました。

藤井七冠はここまで3連勝として、タイトル防衛まであと1勝と王手をかけました。

藤井七冠は今回が今年度3回目のタイトル防衛戦で、「王位戦」は4連覇がかかります。

一方、佐々木七段は7月にかけて行われた「棋聖戦」五番勝負でも藤井七冠と争いましたが敗れ、今回、タイトル初獲得を目指します。

「王位戦」七番勝負はことし9月にかけて日程が組まれ、次の第4局は8月15日と16日に佐賀県嬉野市で行われます。

藤井七冠「構想が非常に難しい将棋だった」

勝利した藤井聡太七冠は「中盤にかけてどういった形で攻めを見せていくかという構想が非常に難しい将棋だったが、方針が定まらないまま指してしまったところがあったのでその辺りは課題が残ったと思う。第4局は後手になるので、これまで以上にしっかり準備してよいコンディションで臨みたい」と話していました。

佐々木七段「徐々に悪化していった気がする」

一方、3連敗で後がなくなった佐々木大地七段は「受けに回ろうかというところでじっと対応されて、こちらが苦しい時間が長く続いてしまった。中盤と終盤は粘って急所が見えないように心がけたが、徐々に悪化していった気がする。課題がいろいろとあるのでしっかりクリアしていい状態で臨めるように切り替えていきたい」と話していました。