三宅健 “44歳から”の挑戦

三宅健 “44歳から”の挑戦
三宅健さん(44)。

誕生日の7月2日に動画サイトで生配信を行い、新たな環境で活動をすることを発表しました。そして、ファンに向けて自らの口で「新生 三宅健にご期待くださいませ。心からエンターテインメントを楽しんでいただけるように日々努力し頑張っていきたいと思っております」などと抱負を語りました。生配信は、30万人以上が視聴しました。

1995年にデビューし、国民的アイドルグループのメンバーとして幅広い世代に人気だった三宅さん。

配信の前にNHKのインタビューに答えてくれました。
(聞き手:三條雅幸アナウンサー)

“アイドル×○○” アイドル像をアップデートしたい

取材当日、インタビューの部屋に登場した三宅さん。

これまでと変わらぬ爽やかな笑顔でまっすぐなまなざしで、一つ一つの言葉を丁寧に紡ぎ「自分の可能性を信じたい」と語りました。
インタビューでまず最初に聞いたのは、これからの活動について。

この問いについて「これまでのアイドル像をアップデートするためにも、アイドル×○○に挑んでいきたい」と語った三宅さん。

そこには、アイドルという職業をステップアップさせて、次の世代につなげていきたい、という強い気持ちがありました。
三宅健さん
アイドル×○○ってことに挑戦していきたいなと思っています。

例えば、それはアイドル×カルチャーだとか、もともとアートが好きなのでアイドル×アートだとか、アイドル×日本文化だとか、そういうことを挑戦していきたいなと思っています。
-その心は?
三宅健さん
昔は20代前半でアイドルを卒業するような文化でしたから。短期的に消費されるアイドル文化ってものをアップデートしていく必要はあると考えています。

SNSも普及することで、アイドルに対する価値観が、昭和の時代とは全く違うと思うんですよね。

気軽に会えるっていう場合もありますし、SNSでプライベートが見られるなんてこともあり、価値観や意味合いが変わってきていて、身近なアイドルもいれば手の届かないアイドルもいるし、アイドルの種類も多種多様になっているような気がするんですよね。

そして、この30年間アイドル業という仕事に携わらせてもらって、その中でアイドルが持つ可能性みたいなものに気付かせてもらったというのは大きいです。

やっぱり先輩たちが広げてくれたアイドルの可能性っていうものの恩恵を僕たちは受けてきているので、それを今度は次の世代にもつなげていけるようにしたいと思います。

アイドルをもっと息の長いものにしていくためには、アイドルをアップデートしていくことが必要だと考えています。

新しい『アイドル×○○』っていうことに挑戦していくことで、また新しい世界が開けていくんじゃないかなっていうふうに思っています。

“自分の可能性を信じたい” 44歳の決断

新たな環境での活動を発表した7月2日は、三宅さんの44歳の誕生日でした。

44歳というと一般的な会社員だと、ちょうど社会人の折り返し地点です。

「管理職になるのか、現場に居続けるのか」

「家庭と仕事のバランスは取れているか」

様々な迷い、そして決断が求められる年代でもあります。

その年代で、なぜ新たな道への挑戦を決めたのか。

そう問いかけると「これまで歩んできた道に自信を持てたからです」と、まっすぐなまなざしで語り、今がまさに、その時期なんだと強調しました。
三宅健さん
次の自分のセカンドステージとして何をやるかっていう意味では、40代で動くのが一番かなと思いますね。

もちろんいくつになってもやれることって、たくさんあると思いますし、その可能性は無限大だと思っています。

だけどやっぱり50代で何か大きなことをスタートさせるよりは、体力面でも健康面でも40代でスタートさせた方がいいと思って。
-不安はないですか?
三宅健さん
ないと言ったら、うそになりますけれど、それはもう誰しもが先のことは見えないので、どうなるかはやってみないと分からないです。
―なかなかそのように思い切れる人とそうでない人がいますが、三宅さんの場合は、どうして思い切ることができたのですか?
三宅健さん
自分の可能性を信じたいというのが大きいかもしれないですね。やっぱり環境を変えることでまた可能性が広がることもあると思います。

自分の中でやっぱり30年間やって来たっていうキャリアと自信があるっていうのもあるかもしれないですね。

ファンのことを考え続けていた“充電期間”

2023年5月に、これまで所属していた事務所を退所。

それ以降は一切の発信を行ってきませんでした。

その間も常に忘れずにいたのが、ファンの存在だったといいます。
-充電期間はどんな風に過ごしていたのですか?
三宅健さん
「何もしない」をしていました。ほぼ何もしていなかったです。

ゆっくり休もうと思って。
-何か頭の中で考えていたことはなかったのですか?
三宅健さん
休んでいても、やっぱり気になるのはファンの存在でしたね。

ファンの人たちの存在が自分の傍らにあることが当たり前の生活を30年近く過ごしてきたので、SNSなど何かを発信することもしないで過ごしていたんですけれど、やっぱり休みに入って1週間経って「1週間なんだけれど、もう1か月ぐらいの気持ち」みたいなファンの声を見ちゃうと、何かしてあげなきゃいけないのかなっていう気持ちに駆られるっていうのはありました。

やっぱり、もうなんでしょうね。

家族でも友達でも恋人でもないですけれど、そこに当てはまらないもっと特別な、という言い方が正しいのかな。

何か本当に僕とファンの人達しかわからない共通の何かが、この30年の間に存在していて、そこは切っても切り離せないものがあるかもしれないです。

アイドルであり続けるために必要なこと

SNSのプロフィールには、かならず「idol」という言葉が入り、職業「idol」と宣言している三宅さん。
そこに“自分はアイドルであり続ける”という強い決意を私たちは感じました。

どんな思いで「idol」という言葉を常に取り入れているのでしょうか。
三宅健さん
「アイドル」というものから芸能の仕事がスタートしているので、そこは切っても切り離せないものだと思っていて。

自分をカテゴライズする表現として「表現者」だったり「アーティスト」だったり「クリエイター」だったりというのは何かしっくりこなくて「アイドル」という言葉が一番似合う、しっくり来ると思っています。
-アイドルを貫く原動力は何なんでしょうか?
三宅健さん
ファンの人に尽きます。

楽しいだけじゃなくて、いろんな感情を共有するってことがお互いの成長につながっているっていうような、苦楽をともにするっていう感覚があります。

選ぶのは消費者側の方々で、こちら側が選ぶわけじゃないじゃないですか。いろんな人たちの目にさらされて、日々を生きなきゃいけないし。

でも、その中にはつらいことばかりではなく楽しいことももちろんあるし、いろんなことをいろんな喜怒哀楽すべてをファンの人たちと共有していくっていう感覚ですね。
―長い経験の中で実感する瞬間があったのでしょうか?
三宅健さん
たくさんありますね。

考えてみてください。30年間、1人の人を応援するってすごくないですか。

そのエネルギー。時間、気持ちも使って、もちろんお金も使ってますよ。それを30年間に換算するとすごいことですよね。

なので、できるかぎりの還元をファンの人たちにしたいっていう気持ちになっていますね。
最後に、いつまでも、その若々しさを保つ秘訣を聞いてみました。
三宅健さん
日々の食事の管理、規則正しい生活です。

日光を浴び、散歩をして、ほどよい運動をして健康を保って、好きな事をやって楽しい生活を送れるよう、お互い頑張りましょう!