新型コロナ 全国の感染状況 “緩やかな増加傾向続く” 厚労省

新型コロナウイルスの全国の感染状況は、先月28日までの1週間では1つの医療機関当たりの平均の患者数が3.63人で、前の週の1.02倍となっています。
厚生労働省は「比較的低い水準にあるものの4月以降、緩やかな増加傾向が続いていて、今後も感染状況を注視したい」としています。

厚生労働省によりますと、先月28日までの1週間に全国およそ5000の医療機関から報告された新型コロナの患者数は、前の週から411人増えて1万7864人となりました。

また、1つの医療機関当たりの平均の患者数は3.63人で前の週の1.02倍となりました。

前の週から増加が続くのは8週連続となります。

都道府県別では多い順に
▽沖縄県が10.35人
▽岩手県が5.97人
▽山梨県が5.78人
▽北海道が5.72人
▽石川県が5.58人などとなっていて
25の都道府県で前の週より増加しています。

このほか、先月28日までの1週間に新たに入院した人は全国で3235人で、前の週のと比べて117人の減少とほぼ横ばいとなっています。

厚生労働省は全国の流行状況について「比較的低い水準にあるものの、4月以降緩やかな増加傾向が続いていて、今後も感染状況を注視したい」としています。

専門家「発表より多くの感染者いる可能性」

新型コロナウイルス対策にあたってきた政府分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、現在の感染状況について「感染者の数は全国的には横ばいになっているが、検査を受けていない人も大勢いるとみられる。私が所属する大学の病院でもコロナの入院患者が増えたり、クラスターが発生したりしているので、面会を再び取りやめるなど、対策を検討しているところだ。発表された数字よりも、さらに多くの感染者がいる可能性に注意する必要があり、警戒レベルを上げて対応していくことが重要になっている」と話しています。

そのうえで「5類移行に伴って人々の動きが盛んになっていて、感染が広がるリスクは高まっている。子どもたちの間では、コロナ以外にもインフルエンザやRSウイルスなどに感染する患者も増えている。気温が上がってきている中で、対策の徹底は難しいかもしれないが、重症化リスクが高い人を守るために、マスクを効果的に使い、換気を徹底すること、密を避けるなど、日常生活の中で警戒感を高めてほしい」と話しています。