新年最初の今回は、少し趣向を変え、あらゆるスポーツの原理原則、体の使い方には共通点がある−という話をしたいと思います。
それは「下半身主導」、特に「腰」が大事という点です。私の本職の野球をはじめ、サッカー、バスケット、アメフト、相撲、柔道、剣道、ボクシングといった格闘技、最近は国民的スポーツの一つとなった感のあるゴルフに至るまで、全て同じです。
そんな話の流れで、ゴルフのベストスコアが127、一向に上達しないと悩む夕刊フジの宮脇広久記者に昨年末、私がレッスンをつけることになりました。
断っておきますが、私自身はゴルフにあまり興味を持てず、実際にコースに出ることはまれです。しかし、ゴルフも野球の打撃も、スイングの基本は全く同じだと考えています。
宮脇記者のスイングを見てまず感じたのは、「腕が暴れすぎる」こと。私はプロ野球界での長いコーチ経験の中で一貫して、両脇を締め、腕と体幹を完全に一体としてスイングするよう指導してきました。まさに“腰で打つ”感覚です。最初はロボットのようなぎこちない動きになり、腕を振れない分、物足りなさが残るでしょう。
しかし、このスイングこそ、最もボールに力を伝えやすく、なおかつ正確にボールをとらえることができるのです。