映画「男はつらいよ」の渥美清さん演じる「車寅次郎」の物まねで知られる声帯模写・漫談家の原一平(はら・いっぺい、本名・日下部護=くさかべ・まもる)さんが今月4日、死去していたことが12日、分かった。76歳だった。脳梗塞で倒れて以降、闘病を続けていた。葬儀・告別式はすでに家族で執り行った。喪主は妻、幸子(さちこ)さん。
関係者によると、約1年半前までは東京・浅草の東洋館などを中心に舞台に立っていたが、脳梗塞で倒れて以降は、舞台出演を控えていたという。
北海道出身。大学卒業後、大手楽器メーカーに就職。当初は、物まね芸人との二足のわらじを続けていたが、テレビ番組で寅さんの物まねを披露したところ、話題を呼び、1973年に脱サラし、芸能活動を本格化させた。
四角い顔を生かした寅さんの物まねは、本家・渥美さん公認のお墨付き。身につけていた帽子やトランクなどの衣装も、渥美さんから譲り受けたものだった。
寅さんの回顧番組などに、渥美さんの代役として出演している姿が、山田洋次監督(83)の目にとまり、「釣りバカ日誌」の第6〜8作にも出演することになった。
芸名の由来は、東京で“腹いっぱい”ご飯を食べられるようになりたいという思いが込められているという。
物まねのレパートリーは小林旭、三波春夫、三橋美智也など50人以上。テレビや舞台で活躍した。元東京演芸協会副会長。