直木賞作家、渡辺淳一氏死去 代表作に「失楽園」「愛の流刑地」

2014.05.05


作家の渡辺淳一さん=2013年8月、東京・渋谷(瀧誠四郎撮影)【拡大】

 「遠き落日」「失楽園」など医療から伝記、歴史、恋愛小説と幅広い分野の作品で知られる直木賞作家の渡辺淳一(わたなべ・じゅんいち)氏が4月30日午後11時42分、前立腺がんのため、東京都内の自宅で亡くなった。80歳だった。葬儀・告別式は親族で行った。喪主は妻、敏子(としこ)さん。

 昭和8年、北海道生まれ。札幌医科大学を卒業。40年、「死化粧」で新潮同人雑誌賞を受賞。母校で行われた日本初の心臓移植手術を描いた「小説 心臓移植」などで計4度、芥川賞・直木賞候補となった後、45年に「光と影」で直木賞を受賞した。

 44年、札幌医科大講師を辞職。その後上京し、しばらくはアルバイト医師としてメスを握りながら執筆を続けた。産経新聞では49〜50年の朝刊に「まひる野」を、54〜55年の夕刊で「愛のごとく」を、また平成18〜19年の朝刊で「あじさい日記」を連載した。

 55年に野口英世の生涯を描いた「遠き落日」などで吉川英治文学賞を受賞。日本経済新聞で連載し、ダブル不倫を描いた「失楽園」は大きな話題を呼び、平成9年に「失楽園(する)」が新語・流行語大賞を受賞している。

 15年には菊池寛賞を受賞、紫綬褒章も受章した。70歳を過ぎても「愛の流刑地」「鈍感力」「欲情の作法」などヒット作を連発し、晩年まで衰えない創作意欲をみせていた。

 

注目情報(PR)

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

実践で使える英会話を習得!業界最高峰の講師がサポートします。毎日話せて月5000円《まずは無料体験へ》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

サンスポ予想王TV

競馬などギャンブルの予想情報を一手にまとめたサイト。充実のレース情報で、勝利馬券をゲットしましょう!