女性シンガーが元気!五感に響くドリカム

2012.03.30


共演した鎌田樹音(右)と結婚した吉田美和【拡大】

 DREAMS COME TRUEの吉田美和(46)が結婚した。

 お相手はFUZZY CONTROLというバンドのJUONこと鎌田樹音(27)。「私は泣いてます」が大ヒットしたりりィとギタリストの父のもとに生まれたギタリストである。

 彼はドリカムのツアーメンバーとしてサポートしたり、2009年のドリカムのシングル『その先へ』でコラボレーションをしたり、NHK紅白歌合戦ではサポートミュージシャンとして吉田たちと一緒にステージに上がったりしていた。

 吉田といえば、長く一緒に暮らしていた事実婚の映像ディレクターの夫を4年前にがんで亡くし、しばらくステージに立てなかったほど憔悴しきっていた。

 そんな彼女を、彼が音楽面から支えてきたことは容易に想像がつく。

 メンバーの中村正人が「めでたい! 音楽の神様に祝福されるふたりだもの。素晴らしい音楽がどんどん生まれ、その音楽に包まれながら沢山の笑顔とともに、うれしくて、たのしくて、大好きな毎日が訪れるに違いない。愛、最強!」とメッセージを送っているが、まさに中村の言う通りである。

 声にパワーのあるシンガーは何人かいるが、吉田のように声に音圧のあるシンガーは希有である。

 音圧のある声、つまり、声で聴く者を説得させる。

 加えて彼女は、音楽的な取り組み方が緻密で、1曲1曲にドリカムの“音”と“楽”をとことん追求している。

 そのためドリカムの歌は、ただ耳で聞く、心に響く、というだけでなく、五感に響いてくるのだ。

 昨年のコンサートあたりから、ドリカムがノリにノってきたと感じていたが、やはり女性、私生活の充実が音楽にいい影響を与えていたのだと納得である。

 女性シンガーといえば、プリプリの愛称で親しまれたプリンセスプリンセスが16年ぶりに復活した。

 東日本大震災復興支援のチャリティーライブだったが、ボーカルの岸谷(旧姓・奥居)香をはじめ、メンバーたちもブランクを感じさせないパワフルさで、聴衆を魅了。

 昨年4月の震災直後にチャリティーライブのために復活を決め、7月から練習を重ねて準備をしてきたという5人。息の合ったところを見せてくれたが、岸谷のパワーに衰えは感じられず、むしろ母になったことで醸し出される力強さやにじみ出るやわらかさで、歌に深みが出てきた。

 が、さすがに久しぶりということもあって、岸谷はかなり緊張していたようで、歌い出しで口ごもり苦笑いするシーンも見られたのはご愛嬌か。

 プリプリファンならずとも復活後の予定が気になるところだが、残念ながら活動は、夏フェスと11月の仙台、東京でのライブだけ。今年限定である。

 また今回のチャリティーライブには、TM NETWORK、米米CLUBも出演。4年ぶりにステージに立った小室哲哉が、岸谷の歌う姿を見て「変わらず元気なことをうれしく思い、同時にKEIKOがまたステージに立つ姿を見たいと感じた」と素直な心境を吐露している。

 人生体験を積み重ね、熟成された芳醇な歌を聴かせてくれるシンガーたちの活躍が、今の時代何よりもうれしい。

 ■酒井政利(さかい・まさとし) 和歌山県生まれ。立教大学卒業後、日本コロムビアを経てCBS・ソニーレコード(現、ソニー・ミュージックエンタテインメント)へ。プロデューサー生活50年で、ジャニーズ系・南沙織・郷ひろみ・山口百恵・キャンディーズ・矢沢永吉ら300人余をプロデュースし、売上累計約3500億円。「愛と死をみつめて」、「魅せられて」で2度の日本レコード大賞を受賞した。2005年度、音楽業界初の文化庁長官表彰受賞。

 

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