「警察の営業許可がなかなか下りず、ホント、大変だったんです。以前やってた、栄通りの店は7月28日で閉めちゃってましたから、1カ月半もひたすら待機。ようやく開店の日を迎えました」
JR池袋駅北口のネオン街、飲食店ビル3階のミニクラブ「くらもとまいのへや」。9月14日の開店当日に訪れると、くらもとまいさんは、こう言って満面の笑みを浮かべた。シルキーなクリーム色のロングドレスにはボディーラインが浮かび、実にセクシーではないか。
店頭や店内は、おなじみさんから届けられた胡蝶蘭やバラの花束がズラリと並び、とても華やかな雰囲気。2歳年下の実妹・まみさんと2人で7坪20席を切り盛りするのだそうだ。
当初は7月上旬に移転の予定。それが延びに延び、心中は穏やかではなかった。
「先払いしてる諸費用などで経済的にキツイのはもちろん、許可がいつ下りるのかハッキリせず、お客さまからの問い合わせにキチンと応えられなかったのが辛かった。最初のうちは、一足早い夏休み気分だったんです。でもお盆過ぎてからは、電話に出るのもメールに返信するのもおっくうになり、しまいにはプチウツ状態。8月27日に浅草の観音様にお参りに行ったくらいでした」
その時のおみくじは『吉』。「微妙ですよね」と今でこそ笑えるが、本人にとってはわらにもすがる思いだったのは間違いない。
それだけに、晴れ晴れとした表情なのもうなずける。
水商売を始めたのは2007年2月14日。
「もともと、お酒好きだったのがきっかけです。お客さまはAV時代のファンや、興味本位って方が多いですね。今さら過去を隠す必要もないので、店ではエロトーク全開。AV業界の裏側やロケのエピソードももちろんOKですよ」
料金は2時間飲み放題歌い放題で1人6000円。意外とリーズナブルだ。
ところで、かつての名前で再デビューするAV嬢が多いが…。
「復帰はありえませんね。いろいろ話題になった倉木麻衣さんのお父さん(映画プロデューサーの山前五十洋氏)ともお付き合いはないですし。今はこの店を軌道に乗せることで頭がいっぱいです」
■くらもと・まい 千葉県出身の元AV嬢。当初、葉月ありさの芸名で2000年にデビューし、13作をリリースした後、いったん引退。01年6月、人気歌手・倉木麻衣のソックリさん「倉本麻衣」の芸名で再デビューすることが発表され、一躍、時の人に。作品は結局、お蔵入りとなったが同年11月、AV作品をリリースし注目を浴びた。04年、AV業界から完全引退。今は都内・池袋でミニクラブ「くらもとまいのへや」(電03・3986・0771)を経営。