旅慣れた30〜40代に人気のオンライン総合旅行サイト「DeNAトラベル」。同サイトを運営するDeNAトラベルは今年6月、社名を「エアーリンク」から現社名に変更した。これを機に、中野正治社長は「認知度の向上をめざし、海外展開を加速させる」と目標を掲げる。国内の伝統的な旅行会社や、ITやマーケット力を誇る旅行会社と一線を画し、第3の立ち位置で旅行業界に新風を吹き込んでいる。 (古川仁一)
──今年6月、会社名を変更しました
「現在の最大の課題を『認知度の向上』ととらえ、(親会社の)『DeNA』のブランドを生かしていく上でも、エアーリンクの『DeNAトラベル』サイトよりも、社名とサービス名をそろえることが望ましいと考えたためです」
──今季のプロ野球界で、横浜DeNAベイスターズも何かと注目されています
「極めて望ましい偶然です(笑)。少しでも認知度の向上につながり、旅行プランを探す時の候補サイトの1つに『DeNAトラベル』が入ればうれしいですね」
──サイト制作の苦心というと?
「サイト運営が主力事業であり、(取扱高の)ほぼ9割を占めるだけに、ファーストビュー(トップ画面)は、毎日のように(情報の)位置関係や色づかいなどに変化を与え、データを集め、使いやすさを追求しています。常にうちで購入していただく理由…いわゆる差別化を図り、どう構築していくか、これがすべてだと思ってます」
──ほかにないオリジナリティーですね
「世界でうちだけの『仕組み』(=強み)というものが5つあります。ホテルの予約を例にすれば、当社は世界3大ホテルサイトと提携しています。この3つのサイトの最安値情報をそれぞれ個別に並べて提示することは簡単ですが、当社では3つを情報統合してテクノロジーを使いベストプランを提供しています」
──パソコンからスマートフォン(スマホ)へ、デバイス(機器)にも変化が生まれています
「現在、当社においてはスマホでの予約比率が4割ほどです。ただ、通勤電車の中で検索し、自宅に戻り、ご家族で相談してからパソコンで予約を行う方もおり、スマホで情報などを得る方は7割近いかと。そこで今、スマホとパソコンの検索結果の同期化、この実現を目指してます。自宅に戻り、スマホで検索したものをパソコンですぐに確認できれば、より使い勝手がよくなりますよね」