これぞ〝盟友〟からの援護射撃、といったところか―。
APEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議のため米サンフランシスコを訪問中の岸田文雄首相が、ジョー・バイデン大統領に「国賓待遇」で招待されたことを、記者団に明かしたのだ。
17日の日米首脳会談で、バイデン氏が持ち掛けたというが、時期は「年明け早々」というだけで、詳細は未定だ。
来年1月に通常国会が始まると、本予算の成立まで岸田首相は動きをとりづらい。そもそも、国内情勢が〝八方塞がり〟ともいえる状況だ。
象徴的なのは、止まらない内閣支持率の下落だ。
直近では、読売新聞で前回比10ポイント減の24%(17~19日実施)、毎日新聞が同4ポイント減の21%(18、19日実施)で、発足以来最低の支持率を更新した。毎日調査での不支持率は実に74%。これでは、来年9月に予定される自民党総裁選を前に衆院解散・総選挙を打つどころか、早晩、「岸田降ろし」が起こりかねない。
そんなところに、バイデン氏が「最高のおもてなしを伴うご招待」を提示した。自民党は当分、岸田首相を引きずりおろせなくなっただろう。