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平野綾の〝正体〟声優、歌手、ミュージカル女優とマルチに活躍 社会現象起こした「涼宮ハルヒの憂鬱」から16年

【ぴいぷる】平野綾の〝正体〟声優、歌手、ミュージカル女優とマルチに活躍 社会現象起こした「涼宮ハルヒの憂鬱」から16年
【ぴいぷる】平野綾の〝正体〟声優、歌手、ミュージカル女優とマルチに活躍 社会現象起こした「涼宮ハルヒの憂鬱」から16年
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「声優に歌手、ミュージカル女優とジャンルは広がりましたが、仕事はすべてつながっている。そう確信しています」

社会現象になった大ヒットアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」(2006年)でヒロイン、ハルヒの声優を演じ、一世を風靡。あれからもう16年がたつ。

10代からエンターテインメントの第一線に立ち続けてきた彼女。「初めてクラシックの舞台で、アニメの曲を歌うんです」と、いつにも増して目を輝かせるコンサートが迫っている。

今月23日、大阪で開催する「はるかそよかの音楽に恋してmeets平野綾」。チェリストの林はるか、ピアニストのそよか姉妹の演奏にヴォーカリストとして〝参戦〟する。

「アニメやミュージカルの楽曲をどうクラシックと融合させて歌うか。クラシックの魅力や可能性を広げることができれば」

ディズニーやジブリアニメのメドレーも歌う予定だが、そのディズニー。苦い経験もあるとか。

「昨年、念願叶ってディズニーアニメ『ミラベルと魔法だらけの家』の吹き替え声優に選ばれました。実はディズニーもジブリもオーディションで落ち続けていたんです」

〝超〟が付く売れっ子でも難攻不落の〝城〟はあるらしい。

「みんながイメージするような憧れの声優という順風満帆な人生では、決してないんですよね」

人知れず努力し、それを積み重ねる。見た目からはわからない苦労の人でもある。

歌に加え、演技を問われるミュージカルはどうだろう。

「幼い頃にニューヨークで過ごし、ブロードウェーで初めて見た舞台が『ピーターパン』で」。幼少時からの憧れだったという。

声優では立ち位置を確立しつつも、舞台での演技を含めたパフォーマンスに自信を持てず、ある日、立ち止まってしまう。

「6年前、すべての仕事を休止し、半年間、ニューヨークへ留学しました。もう一度、一から学び直したかったんです」

以来、毎年、海外に長期滞在し、歌や踊りに自身を磨き続けている。

4年前、ミュージカル「モーツァルト!」の再演で出演が決まったときのこと。

「すぐにウィーンへ飛び、モーツァルトのお墓参りに行きました。『あなたの妻を演じます』と墓前で報告し、舞台のセリフも声にして。もちろん周囲に誰もいないことを確認しましたよ」

恥ずかしそうにそう振り返った。

今年、ホラーコメディー「室温~夜の音楽~」で、3年ぶりのストレートプレイ(歌のない、せりふや芝居のみの演劇)にも挑戦した。

殺人事件の秘密を知る謎めいた女の心の闇を熱演した。

「室温」は、観客が静まり返るシリアスな展開で幕を閉じる。だがその直後、華やかな衣装でグランドフィナーレに登場し、ハイトーンボイスで力強く歌い上げた。歌の披露はないはずの芝居で。

「この舞台で私が歌うことが決まったのは公演1週間前でした。演技をするにあたり、事前に『歌も踊りも封印します』ということになっていたのですが…」

後にそれこそが演出家の意図だったことを知らされる。

〝武器の封印〟を解いた瞬間、満員の会場が歓喜の渦に包まれた。

「バッドエンドで芝居が終わり、沈み込んでいた客席の人たちが、最後に私の歌に沸き立ち、元気になって家路につくなんて。これまで経験したことに無駄なことなど何一つない。そう自覚できた瞬間でした」

最近、ふと、こんな風に思うことがある。

「元々は引っ込み思案の性格で、だから、主人公でなくても構わないんです。脇役が面白いな、とも」

きらびやか世界に生きながら、実は引っ込み思案だとは…。努力家で苦労人で、でもちょっと不思議なところもあって。彼女の気になるところがまた一つ増えた。

ペン/波多野康雅 カメラ/二星昭子 レイアウト/中川賢一

■平野綾(ひらの・あや) 声優、女優。1987年10月8日生まれ。35歳。愛知県出身。98年から子役として活動。2006年、テレビアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」で主人公の声優に抜擢され、主題歌も歌いブレーク。11年からミュージカル女優としても活躍。「レ・ミゼラブル」などに出演。コンサート「はるかそよかの音楽に恋してmeets平野綾」は11月23日=大阪・サンケイホールブリーゼで開催。

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