NHK朝の連続テレビ小説「まんてん」でデビューしたとき、まだ11歳だった。だが、ドラマの中でみせる演技力に誰しも瞬時に引き込まれた。以来、天才子役の名をほしいままにする。
その彼女も30歳を迎え、いまや実力派の域だ。
「天才(子役)だと自覚したことは一度もありません。目の前の作品をこなしてきただけですよ」。穏やかな表情で謙虚に語る。
新型コロナウイルスの影響で、出演した映画などが公開待機となる中、新たな出演依頼が来た。
舞台「マインド・リマインド~I am…~」。物語の鍵を握るミステリアスなヒロイン役を演じる。「コロナ禍でも上演できる演劇プロジェクトを」と、関西テレビと関西で発足した劇団「Patch」で仕掛ける音楽朗読劇で、12月に大阪、来年1月に東京で上演する。
「コロナの影響で中止になった舞台もあったので、どんなお芝居ができるか楽しみ」と瞳を輝かせた。
小学生で国民的ドラマで注目を浴び、中学生では早々に映画初主演。その社会派作「カナリア」(2005年)では家庭環境に恵まれない壮絶な人生を背負う少女を熱演。高い演技力は国内外の映画祭で絶賛され、新人賞などを総なめにした。
「私は家族に恵まれて育ったので、難しい役でしたがこれが女優最後の仕事ぐらいの気持ちで臨みました」