北方領土を戦争で取り返す是非に言及し、日本維新の会を除名された丸山穂高衆院議員(大阪19区)は、酒に酔った勢いで暴言を連発して、大騒動となった。永田町では、これまでも閣僚辞任に追い込まれたり、警察沙汰になるなど、酒で失敗した御仁が多々いる。やはり、「酒は飲んでも飲まれるな」である。
「2カ月間の休養が必要」
丸山氏は24日、衆院議院運営委員会理事会にこんな診断書を提出した。理事会は同日、丸山氏から一連の騒動について事情聴取しようとしていたが、丸山氏の欠席で見送られた。
以前から、丸山氏の酒癖の悪さは知られていた。2015年末には酒に酔って口論相手の一般人にかみつき、警察沙汰になった。当時、禁酒宣言をしたが、反省が足りなかったようだ。
政界では他にも、大トラ伝説が語り継がれている。
09年、中川昭一財務相兼金融担当相(自民党)は、先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)後の記者会見で、酩酊(めいてい)状態のまま対応し、辞任に追い込まれた。
15年には、民主党の後藤祐一衆院議員が飲酒後、議員宿舎への帰り際でタクシー運転手とトラブルになった。宿舎の門扉に登り、警察官も出動する騒動を起こした。
宮腰光寛沖縄・北方担当相(自民党)は昨年10月、週刊文春で「全裸で衆院議員宿舎内の他人宅のインターホンを押した」という記事が出た。これも酒の結果だった。
一方、自民党の岸田文雄政調会長や、野田聖子衆院予算委員長、小渕優子元経産相など、飲んでも乱れない「酒豪」もいる。政治家は酒とどう付き合うべきなのか。
ベテラン秘書は「いくら酒に強くても、最近は『私はお茶しかのまないので…』と自己防衛する議員が増えてきた。夜の会食が続く際は、事前に国会内のジムでシェイプアップし、体を壊さないようにする議員も多いようだ」と話す。
自民党若手は「党内は派閥全盛時代ほど、飲酒の機会が多くない。先輩の貴重な話を聞き逃さないよう、配膳係に事前に『乾杯の焼酎の後は、氷水にしてほしい』とお願いして自制するなど、工夫している同僚議員も多い」と明かした。
サラリーマンにも参考になりそうだ。