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【パームビーチ(米フロリダ州)=淵上隆悠】米共和党のトランプ前大統領は15日夜(日本時間16日午前)、米フロリダ州パームビーチの邸宅「マール・ア・ラーゴ」で演説し、2024年次期大統領選への出馬を表明した。中間選挙で注目された推薦候補が敗れ、責任論も浮上する中での表明となった。
トランプ氏は演説で、バイデン政権の経済政策や外交・安全保障政策を厳しく批判し、「2年前まで我々は偉大な国だったが、すぐに再び偉大な国になる。米国を再び偉大で輝かしい国にするため、今夜、米大統領に立候補することを表明する」と宣言した。
共和、民主両党の主要候補の中で、正式に出馬表明するのはトランプ氏が初めてだ。共和党の指名候補争いは、トランプ氏を軸に展開するとみられる。民主党のバイデン大統領も再出馬に意欲を示しているが、正式な判断は来年に持ち越す意向だ。
トランプ氏は20年大統領選の敗北以降、「24年にホワイトハウスを奪還する」と語るなど再出馬の意欲を繰り返し示してきた。共和党の優勢が伝えられていた8日投開票の中間選挙では、共和党を圧勝させ、推薦候補を大量に当選させて自身の復権につなげるシナリオを描いていた。党内のライバルたちよりも先に表明することで、候補者争いレースを有利に進める狙いもあった。
ただ、その目算は狂い始めている。上院選では事実上の多数派の座を与党・民主党が維持することが固まった。自身の推薦候補は下院選こそ着実に当選したが、上院選ではペンシルベニア、アリゾナなど大統領選でもカギを握る接戦州で相次いで敗れた。
20年大統領選の結果をいまだに否定し続けるトランプ氏に対し、無党派層などの抵抗感を裏付ける結果とも分析されている。共和党内には、中間選挙で前面に立ったトランプ氏の責任を問う声が上がっており、逆風も吹いている。一方、共和党内ではフロリダ州知事選を大差で制したロン・デサンティス氏に期待する声も大きくなっている。