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【台中(台湾中部)=園田将嗣】台湾の野党2党が総統選の候補一本化で電撃的に合意した背景には、候補乱立で支持が分散したままでは共倒れに終わり、勝利につながらないとの危機感があった。両党の掲げる政策には温度差があるが、政権交代を目指す一点で一致し、小異を捨てて大同につく共闘の道を選んだ。
台北市内で15日に会談を終えた国民党候補の
両党は10月中旬から候補者一本化に向けた協議を始めたが、候補の選定方法を巡り対立した。国民党は党の組織力を生かせる予備選を主張した一方、民衆党は柯氏の人気が反映される世論調査の候補者支持率で決めるべきだと訴えた。
譲歩したのは国民党だ。当初は世論調査で候補者の支持率を比べるだけでなく、政党支持率も加味することなどを提案したが、柯氏は「国民党に有利だ」と拒否していた。暗礁に乗り上げていたところ、国民党の
両党は総統選に当選した場合、政権運営で協力することでも合意した。しかし、中台が「一つの中国」原則で合意したとされる「1992年合意」を条件付きで受け入れると表明した侯氏に対し、柯氏は受け入れを明言しないなど温度差があり、協力関係に不安は残る。
今後の選挙戦では、国民党の公認を得られず無所属で立候補を表明した
民進党は危機感を強め、総統選に立候補する
中国で台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室の報道官は15日の記者会見で、野党の選挙協力について「平和と発展、交流と協力は、台湾では主流の民意だ。両岸(中台)関係が平和的発展に立ち戻るようにしなければならない」と語った。対中交流を重視する野党の協力を前向きに受け止めている模様だ。