中国との鉄道輸送再開急ぐ北朝鮮、コロナ発熱患者「ゼロ」と発表

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 【ソウル=上杉洋司、北京=川瀬大介】北朝鮮国営の朝鮮中央通信は30日、29日午後6時までの1日間、北朝鮮国内で新型コロナウイルスと関連した発熱患者が出なかったと報じた。発熱患者が「ゼロ」になるのは、新型コロナ感染者の確認を公表した5月12日以降初めてだ。

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北朝鮮の首都・平壌で、朝鮮戦争の休戦協定締結69年に合わせた記念行事に参加する市民ら(朝鮮中央通信から)=ロイター
北朝鮮の首都・平壌で、朝鮮戦争の休戦協定締結69年に合わせた記念行事に参加する市民ら(朝鮮中央通信から)=ロイター

 朝鮮中央通信によると、北朝鮮の発熱患者数は5月15日の約39万人をピークに、ほぼ連日減少した。累積の発熱患者数は約477万人で99・9%が回復し、死者は74人としている。

 発表については懐疑的な見方が大半だ。韓国の政府系調査研究機関「韓国開発研究院」は29日、他国における新型コロナの致死率を勘案すれば、北朝鮮での死者は5万人にのぼる可能性があるとの報告書を発表した。中朝国境の中国側の関係者も本紙の取材に「実際には感染は全く収まっておらず死者も出続けているようだ」と話している。

 北朝鮮が新型コロナ「ゼロ」を発表したのは、4月下旬に中断した中国との間の鉄道貨物輸送の再開を急ぐためとみられる。中朝貿易関係者や外交筋などによると北朝鮮は6月までに、中国に 新義州シンウィジュ と遼寧省丹東市をつなぐ鉄道貨物の定期運行再開を要望した。中国は新型コロナ流入を警戒し、北朝鮮の新型コロナ患者がゼロになることを再開の条件として示唆したという。

 中朝間では、海上ルートによる貿易が行われているだけで、北朝鮮では砂糖や子供向けの乳製品や医薬品、住宅建設に必要な内装材といった物資不足が深刻化しているとされる。

 中国の貿易関係者の間では、10月10日の朝鮮労働党の創建記念日に間に合わせるため、9月中旬に鉄道の定期運行が再開されるとの観測もあるが、中朝関係筋は「中国の政治判断になる」と話した。

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