ウクライナ、露代表団と「前提条件なし」の会談へ…激戦の東部ハリコフで「露軍を撃退」

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 【モスクワ=工藤武人】ウクライナに侵攻しているロシア軍は27日、首都キエフに続いて東部にある第2の都市ハリコフの攻略にも着手した。ロイター通信などによると、攻撃対象も軍事施設からエネルギー関連施設に拡大した。軍事作戦は4日目となり、露軍の攻撃が激しさを増している。

 ハリコフ州知事は27日、自身のSNSを通じ、露軍部隊が市中心部に入り、激戦の末、ウクライナ軍に撃退されたと伝えた。人口約140万人のハリコフはロシアとの国境から約30キロ・メートルに位置し、露軍が侵入を目指していたが、ウクライナ軍の抵抗を受けていた。

ウクライナの首都キエフ郊外で、炎上する石油貯蔵施設(27日)=ロイター
ウクライナの首都キエフ郊外で、炎上する石油貯蔵施設(27日)=ロイター

 27日未明にはハリコフにある天然ガスのパイプラインが爆破された。キエフ郊外の石油貯蔵施設も27日、ミサイル攻撃を受け炎上した。露軍が攻撃対象を国民生活に直結する重要施設に広げた可能性がある。キエフ市内での戦闘も続いた。

 米国防総省高官は27日、記者団に対し、ロシアがウクライナ周辺に集結させた15万人超の兵力のうち、3分の2が投入されたとの分析を明らかにした。短距離弾道ミサイルを中心に320発以上が発射され、一部は発射が失敗したとの見方を示した。

 露国防省は、南部でヘルソンに続きベルジャンシクも「完全包囲」したとしている。ロシアは2014年に併合したクリミアとウクライナ東部の親露派が支配する地域との「回廊」確保を狙っているとみられる。

 一方、ウクライナ大統領府は27日、停戦協議に関し、ロシア代表団と「前提条件なし」で会談すると発表した。会談場所はウクライナとベラルーシとの国境地帯になると説明した。

 停戦協議を巡っては、双方が協議の目的や場所に関して折り合えず、状況が二転三転した経緯がある。

 ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は27日、ツイッターで、ロシアを国際司法裁判所(ICJ)に訴えたと明らかにした。

 国連人道問題調整事務所(OCHA)は、26日午後(日本時間27日未明)時点で、ロシアのウクライナへの侵攻で少なくとも民間人64人が死亡、176人が負傷したと発表した。

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