反戦の象徴、国連ビル「ゲルニカ」タペストリー、ロックフェラー家に返却…理由は不明

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 【ニューヨーク=寺口亮一】米ニューヨークの国連本部ビルに掲げられていたピカソ作「ゲルニカ」の複製タペストリーが、所有するロックフェラー家の意向で今月、返却された。国連事務局が24日、安全保障理事会に伝えた。タペストリーは反戦の象徴として約35年にわたり、安保理の議場前に飾られていた。

米ニューヨークの国連本部内に掲げられていた「ゲルニカ」のタペストリー。左手前はヘイリー米国連大使(当時)=2018年1月撮影、AP
米ニューヨークの国連本部内に掲げられていた「ゲルニカ」のタペストリー。左手前はヘイリー米国連大使(当時)=2018年1月撮影、AP

 安保理への説明によると、タペストリーはニューヨーク州知事や副大統領を務めたネルソン・ロックフェラー氏の依頼で、フランスの職人が1955年に制作した。返却の要請は、現所有者であるロックフェラー氏の息子から寄せられた。理由は明らかにされていない。

 タペストリーはロックフェラー家からの貸与の申し出を受け、85年以降、本部ビル改修の一時期を除いて飾られてきた。国連事務局は新たに掲示する作品を検討する。

 「ゲルニカ」は、ドイツ空軍機が37年、内戦下にあったスペインのバスク地方の町ゲルニカで行った無差別爆撃を題材にした大作。タペストリーは2003年2月、当時のパウエル米国務長官がイラク攻撃の正当性を安保理で訴えた際、幕で覆われたことでも知られる。

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1871118 0 国際 2021/02/26 19:18:00 2021/02/27 00:17:34 2021/02/27 00:17:34 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/02/20210226-OYT1I50063-T.jpg?type=thumbnail

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