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フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ最終戦、NHK杯第2日は25日、大阪府門真市の東和薬品ラクタブドームで各種目のフリーが行われた。前日のショートプログラム(SP)で今季世界最高得点をマークした鍵山優真(オリエンタルバイオ)がフリーは2位だったが、合計でフリー1位の宇野昌磨(トヨタ自動車)を1・84点上回り、今季のGP初優勝。2位の宇野とともにGPファイナル進出を決めた。GPファイナルにはフィンランド大会優勝の三浦佳生(オリエンタルバイオ)も参戦する。(デジタル編集部)(→鍵山「うれしくて楽しかった」は こちら )(→宇野、満足のSP2位は こちら )
鍵山、しなやかさとスピードと
【男子】
鍵山は最終12番目に滑り、フリーは182・88点で2位、合計288・39点で優勝した。前半はしなやかに、後半はスピード感あふれるダイナミックな演技で観衆を魅了。中盤にトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で転倒があったものの、目立ったミスはこれだけ。フリー、合計とも今季の自己ベストを更新し、故障からの完全復活を果たした。NHK杯は3年ぶり2度目の優勝。
鍵山は会場でのインタビューで「アクセルで転んでしまったのは悔しいが、それ以外の要素は落ち着いてできた。見ている皆さんが、表現力、スケーティング、すべてでレベルアップしていると思ってくれる演技ができてれば、うれしく思う」と話した。(→コストナーさんの教えで新境地は こちら )
宇野、情感たっぷり
宇野は11番目に登場。フリーは186・35点、合計286・55点で、ともに今季の自己最高を上回った。ゆったりとした曲に乗り、情感たっぷりに舞った。ジャンプが抜けて2回転になるミスがあったものの、大きく崩れることはなく、演技終了直後には、ホッとしたような笑顔を見せた。
宇野は「表現もジャンプも、とてもいい演技だったと思う。今は、良かったなと思って帰ろうと思う」と話した。(→納得いかないフリー1位は こちら )
壺井、フリーは5位と巻き返す
壺井達也(シスメックス)が1番目に登場。最後のジャンプで転倒があったものの、それ以外は躍動感あふれる演技を披露し、今季自己最高となる151・99点をマークし、合計216・62点だった。前日は3つのジャンプすべて出来栄え点でマイナス評価となるなどしたが、しっかり立て直した。フリーは5位、合計で9位に順位を上げた。
【ペア】
日本勢から唯一出場している長岡柚奈、森口澄士組(木下アカデミー)はフリー90・03点で8位、合計135・39点も8位だった。
若いペアを観客も後押し
世界王者・三浦
三原は得点伸びず
【女子】
GPシリーズ初出場でSP8位の青木祐奈(日大)が、126・18点で合計184・46点をマーク。フリー5位、合計で5位に入った。昨季GPファイナルを制した三原舞依(シスメックス)は、演技後半の3回転ループで転倒するなど得点を伸ばせず、109・82点でフリー9位にとどまり、合計8位に終わった。北京五輪5位の樋口新葉(ノエビア)は113・51点で合計165・69点となり合計9位。12月に北京で行われるGPファイナルには、日本からは坂本花織(シスメックス)、吉田
青木、スピンとステップはすべてレベル4
21歳の青木が伸びやかな演技をSPに続き披露し、国際連合(ISU)公認大会での自己ベストを更新。合計点では30点以上、上回った。ジャンプはすべて着氷。スピンとステップはすべて最高難度のレベル4の評価を得た。「大きな失敗なく、のびのびと滑れたと思う。気持ちいいです。不安と緊張でいっぱいだったが、初めてのGPシリーズにしては上出来だった」と笑顔で話した。(→2年前の全日本はSP最下位の青木が「余裕」は こちら )
三原「笑顔だけじゃなく最高の演技見せたい」
右足首のけがで今季初戦となった三原は、影響があったのか、得点を伸ばせなかった。ただ、演技後は大きな拍手が送られ、笑顔も見せた。三原は「笑顔だけじゃなくて最高の演技をお見せできるように、全日本まで練習を積んで、足が痛くても、もっともっとできるような強さをこれから身に着けていきたい。悔しい部分はたくさんあったが、一つ一つ落ち着いて滑ることができた」と話した。(→三原、ユーモア失わずは こちら )
樋口、トリプルアクセルは転倒
樋口は公言していた通り、冒頭トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に挑戦したが転倒。さらに後半のステップでも転倒するアクシデントがあるなどし、得点は伸びなかった。それでも躍動感あふれる演技で会場から大きな拍手を浴びた。樋口は「転んでしまったが収穫のある大会だった」と話した。(→)(→三原、足首たたき「耐えろよ」は こちら )(→21歳青木「今回が最後かも」は こちら )
小松原組しっとり9位「合格点あげたい」
【アイスダンス】
日本勢から唯一出場している小松原美里、小松原尊組(倉敷ク)は、自己ベストにあと0・58点と迫る103・49点をマーク。フリー8位、合計167・61点で9位だった。優勝はSP2位のライラ・フィアー、ルイス・ギブソン組(英)だった。(→前日の小松原組のRDは こちら )
しっとりと、優雅に愛の世界を演じた。観客も引き込まれたかのように大きな拍手。スピンやリフトでも高い評価を得た。コミカルなゴーストバスターズの世界を演じた前日とはうって変わり正統派の演技だった。(→「きょうは笑顔で追われた」は こちら )
NHKのインタビューに美里は「(今季)国際試合第1戦として合格点をあげたい」尊は「シンプルに楽しかった。(フリーの)点数の今季の目標は110点。初めてとしては良かったと思う」とうなずいた。