完了しました
大相撲で一大ブームとなった「若貴時代」に、兄弟のライバルとして立ちはだかった元横綱曙の曙太郎(あけぼの・たろう、旧名チャド・ローウェン)さんが、54歳で他界した。米・ハワイ州出身で、外国出身力士で初めて角界の頂点を極めた先駆者の死を受け、周囲に悲しみが広がった。
関係者によると、曙さんはプロレスラーとして活動していた2017年に体調を崩し、療養が続いていたという。
同じ高砂一門の先輩でもある日本相撲協会の八角理事長(60)(元横綱北勝海)は曙さんの現役時代を振り返り、「本当に稽古熱心で、稽古場で壁にぶつけられても、何度も何度も『もう一丁お願いします』と向かってきた。だからあそこまで強くなった」と懐かしんだ。曙さんは相撲界から離れて長くたつが、近況を気にかけていたそうで、「それにしても54歳は若すぎる。これからなのに」と早すぎる死を悼んだ。
旧東関部屋の弟弟子で、付け人も務めた経験がある元小結高見盛の東関親方(47)は「あれだけ強くて体の大きな人が亡くなるなんて本当に切ない。稽古をつけてくれて自分を強くしてくれた。重くて、いつも吹っ飛ばされたのが思い出です」と故人に思いをはせた。
ラーム・エマニュエル駐日米大使もX(旧ツイッター)で「他の外国人力士が大相撲で成功するための扉を開きました。第二の故郷となった日本と米国との文化的な結びつきを強化してくださいました」と追悼した。