日本代表に大学経由の選手が急増した理由…サッカー界の「18歳問題」とは
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サッカーのFIFAワールドカップ(W杯)カタール大会の初戦でドイツを破って意気上がる日本代表。史上初の8強入りを目指す26人のメンバーだが、今回は大学を経由した選手が多いことに気づくだろう。
カタール大会代表は9人
中央大学出身のGKシュミット・ダニエル(シントトロイデン)を筆頭に、明治大学卒の長友佑都(F東京)、筑波大学卒の谷口彰悟(川崎)と三笘薫(ブライトン)、神奈川大学卒の伊東純也(スタッド・ランス)、横浜桐蔭大学出身の山根視来(川崎)、流通経済大学出身の守田英正(スポルティング・リスボン)、早稲田大学卒の相馬勇紀(名古屋)、法政大学出身の上田綺世(セルクル・ブルージュ)と9人もいるのだ。
過去のW杯日本代表を見ると、Jリーグ発足前に学生時代を過ごした世代の多かった98年フランス大会は、筑波大学卒の井原正巳(柏コーチ)・中山雅史(来季から沼津監督)、早稲田大学出身の相馬直樹(大宮監督)・斉藤俊秀(代表コーチ)など大卒が7人、中退も含めれば今回同様の9人が大学経由でプロになっていた。
しかし、J発足後は「高校、もしくはJリーグユースからダイレクトにプロになるのが成功への近道」という価値観が強まり、10代のエリート選手はこぞって18歳の時点でプロへの道を選ぶようになった。
その影響もあり、2002年日韓大会以降は大卒選手が激減した。02年は中山と同志社大学卒の宮本恒靖(JFA理事)、東海大学を中退してプロになった服部年宏(福島監督)の3人に減り、その後も少数精鋭状態が続くようになる。
06年ドイツ大会を見ても、宮本、坪井慶介(解説者=福岡大)、巻誠一郎(同=駒沢大)の3人。10年南アフリカ大会も中村憲剛(日本サッカー協会=JFA=ロールモデルコーチ=中央大)、岩政大樹(鹿島監督=東京学芸大)、長友の3人。14年ブラジル大会は長友、伊野波雅彦(南葛SC=阪南大)の2人のみ、18年ロシア大会は長友、東口順昭(G大阪=新潟経営大)、武藤嘉紀(神戸=慶応大)の3人と、少ない人数が続いていたのである。