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【パリ=平地一紀】テニスの全仏オープンは11日、パリのローランギャロスで最終日を迎え、男子シングルス決勝で第3シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が第4シードのカスパー・ルード(ノルウェー)を7―6、6―3、7―5で下し、2年ぶり3度目の優勝を果たした。通算23度目の四大大会制覇で、22勝で並んでいたラファエル・ナダル(スペイン)を抜き、男子の単独最多となった。ルードは昨年に続く準優勝。
10日は女子シングルス決勝で第1シードのイガ・シフィオンテク(ポーランド)が世界ランキング43位のカロリナ・ムホバ(チェコ)に6―2、5―7、6―4で競り勝ち、2年連続3度目の優勝。優勝賞金は男女ともに230万ユーロ(約3億4500万円)。車いす部門の女子ダブルスでは上地結衣(三井住友銀行)、コタツソ・モンジェーン(南アフリカ)組が優勝した。
ここぞの場面でエース
ジョコビッチは表彰台で何度もトロフィーに口づけし、天に掲げた。「多くを経験した末、ここに立てていることを本当に誇りに、名誉に思う」。23度目の四大大会制覇の喜びに浸った。
24歳のルードに3ゲームを先取されたが、相手の攻めをはじき返す鉄壁の守りを発揮。心を乱したルードのショットが外れる一方、ジョコビッチは、ここぞの場面でエースをたたき込む集中力を見せつけた。
「7歳の頃、(英国の)ウィンブルドン選手権で優勝し、世界ランク1位になることを夢見た」と言う。今は36歳。努力を重ねてライバルたちとしのぎを削り、男子では初めて、四大大会すべてを各3回以上制する偉業を成し遂げた。
大会後の世界ランキングでも1位に返り咲く。「現在を生き、過去は忘れなさい。より良い未来がほしいなら、自らの手で作り上げればいい」。場内の若い人たちに向けて熱く語りかけたジョコビッチに喝采が送られた。