北海道・阿寒湖、大型マリモが激減か…専門家は天敵・水草の繁茂で「回転不足」を指摘

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 国の特別天然記念物「阿寒湖のマリモ」の生息地として知られる北海道釧路市の阿寒湖で、2020年頃から直径20センチ超の大型マリモが激減している可能性があると、専門家が指摘していることがわかった。一方、市教育委員会は現段階では不明としている。文化庁は21、22日に湖を訪れ、現状を確認する。

国の特別天然記念物「阿寒湖のマリモ」=北海道釧路市教委提供
国の特別天然記念物「阿寒湖のマリモ」=北海道釧路市教委提供

 マリモは糸状の細かい藻が浅瀬で合成し、水流で回転しながら寄せ集まって成長する。市教委の報告書などによると、湖北部の群生地チュウルイ湾で18年には大型マリモが普通に確認できていたが、21年にはほとんど姿を消していた。また、湖底に多くのマリモが積み重なる厚みの「 堆積たいせき 厚」は、20年が20センチだったのが、21年は8センチに減っていた。

国の特別天然記念物「阿寒湖のマリモ」=釧路市教委提供
国の特別天然記念物「阿寒湖のマリモ」=釧路市教委提供

 マリモを長年研究する若菜勇・釧路国際ウェットランドセンター阿寒湖沼群・マリモ研究室長は10年代以降、「天敵」の水草が繁茂して回転不足を招いたと推測。市教委はこれまで定期的に水草を刈り取っているが、若菜室長は「除去が不十分だった可能性があり、マリモが水草に置き換わりかねない」と危惧する。

 これに対し、市教委は「マリモの数を数えておらず、減ったかどうか判断しかねる」との立場だ。

 文化庁の田中厚志文化財調査官は「まずは現地を確認し、因果関係を把握する必要がある」と話す。

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