自民関係議員聴取、成果に疑問の声…茂木氏は銀座通いで3人離党したのは「厳しかった」

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規正法改正、隔たりあらわ…自民案に公明も「ゼロ回答だ」

 自民党は派閥による政治資金規正法違反事件に関係した議員への事情聴取を2日に始め、実態解明の作業に乗り出した。世論の批判が収まらない中、自浄作用をアピールする狙いがある反面、聴取で十分な成果が上がるかどうか疑問視する見方が多く、関係者への厳しい処分につながるかも不透明だ。

 「聞き取り作業の 進捗しんちょく 状況を受け、党としても説明責任を果たしていきたい」

 岸田首相(党総裁)は2日、首相官邸で記者団にこう述べ、党として実態把握を進める意義を強調した。

 聴取実施の背景には、東京地検特捜部の捜査は終結したものの、党としては事件の詳細や全容を把握できていないとの問題意識がある。聴取は森山総務会長、渡海政調会長、小渕優子選挙対策委員長ら党幹部6人が3グループに分かれ、約90人を対象に弁護士同席で行われる。

 2日は、森山、小渕両氏がペアになり、国会からほど近い東京都内のホテルで午後から聞き取りをした。収支報告書への不記載額や使途、経緯などを確認した。連日実施して2月上旬をめどに作業を終え、茂木幹事長に報告書を提出する予定。

 自民は聴取結果を公表することで、「事件をうやむやには終わらせない」との姿勢を示して国民の批判を和らげたい考えだ。ただ、政府・自民内では、新事実が明らかになる可能性は低いとの見方が出ている。政府高官は「特捜部の捜査を超える聴取は不可能。議員は地検に話した以上のことは話せないだろう」と語る。

 焦点となるのは、聴取結果を踏まえた党としての対応だ。政治資金パーティー収入を議員に還流し、裏金化していた安倍派の幹部らに対しては、党内にも厳しい処分を求める声がある。

 党には、党の役職停止、離党勧告、除名などの処分があるが、執行部には「地検が立件できなかったのに重い処分を科せるのか」との見方がある。2021年の新型コロナウイルスの緊急事態宣言中、東京・銀座のクラブ通いが判明した議員3人は離党したが、茂木幹事長は1日のBSフジの番組で「今までの基準からすると厳しかった」と述べ、参考にならないとの考えだ。

 とはいえ、党内では「銀座通いより裏金の方が重大なのは明らか。それより軽い処分では国民の理解は得られない」(中堅)との声が根強い。処分の結果次第では聴取の意義が問われる事態に発展しかねず、執行部は難しい判断を迫られる。

氏名公開基準 引き下げ要望…令和臨調提言 パーティー券購入者

 経済界や学識経験者らでつくる「令和国民会議」(令和臨調)は2日、東京都内で記者会見し、政治資金制度の改革に向けた緊急提言を公表した。透明性確保のため、政治資金パーティー券購入者の氏名などの公開基準を現在の「20万円超」から「5万円超」に引き下げることなどを与野党に求めた。

 提言では、与野党が今国会中に「直ちに合意すべき事項」として、パーティー券購入者の公開基準額引き下げのほか、パーティー券の現金による売買禁止、会計責任者らが政治資金収支報告書に虚偽記載を行った場合の政治家の責任を問う仕組み作りなどを掲げた。

 議員個人が政党から受け取る「政策活動費」の使用後の領収書提出や使途の記載義務づけ、収支報告書のデジタル化などは制度設計に時間を要するとして、今国会中に「道筋をつけるべき事項」とした。

 政治資金を巡る一連の事件について、提言では「不透明な資金の授受を可能にしているシステム自体の包括的かつ抜本的な改革が求められる」と結論づけた。

安倍派・二階派の報告書訂正提示

 自民党は2日の衆参両院の予算委員会理事会で、派閥の「政治とカネ」の問題を巡り、安倍派(清和政策研究会)と二階派(志帥会)の政治資金収支報告書の訂正内容をまとめた文書を提示した。

 文書には派閥から支出を受けた政治団体名しか記されておらず、野党は5日午前の理事会で政治団体の代表を務める議員名を加えた資料を出すよう要求した。

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4998851 0 政治 2024/02/03 05:00:00 2024/02/03 07:15:41 2024/02/03 07:15:41 https://www.yomiuri.co.jp/media/2024/02/20240202-OYT1I50204-T.jpg?type=thumbnail

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