極超音速兵器の迎撃ミサイル、イージス艦に搭載へ…概算要求額は過去最高5兆5947億円

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 防衛省の2023年度予算の概算要求の全容が22日、判明した。極超音速兵器の迎撃能力の保有を目指し、改良型の中距離誘導弾を建造計画中のイージス・システム搭載艦に搭載することを盛り込んだ。ミサイル開発を進める中国や北朝鮮に対抗する狙いがある。攻撃型の無人航空機の導入などで装備の無人化も進める。

 複数の政府関係者が明らかにした。政府が掲げる5年以内の抜本的な防衛力強化を実現するため、概算要求額は過去最高の5兆5947億円に上る。要求段階では金額を示さない事項要求が別にあり、実質的な要求規模はさらに膨らむ。

 イージス・システム搭載艦は地上配備型迎撃システム「イージスアショア」の配備断念を受けた代替案で2隻を建造し、対空ミサイルSM6を搭載する計画だ。概算要求では、新たに極超音速兵器の迎撃能力を持たせることにした。陸上自衛隊の03式中距離地対空誘導弾(中SAM)改良型の搭載を想定している。

防衛省
防衛省

 中露などが開発している極超音速兵器は音速の5倍(マッハ5)以上で低空を飛行する。放物線軌道を描く通常の弾道ミサイルと違い軌道が変則的なため、迎撃が困難とされる。改良型中SAMは敵ミサイルの軌道予測能力を向上させ、迎撃を目指す。イージス・システム搭載艦は日本海で北朝鮮のミサイル警戒などに当たる予定だ。

 極超音速兵器は地上レーダーでは探知が難しいため、多数の小型衛星による観測網「衛星コンステレーション」で探知・追尾する研究も盛り込んだ。

 無人装備では、攻撃型無人機を初めて取得する。偵察用無人地上車両の配備に向けた研究も開始し、陸自に配備する。敵の位置を正確に把握して攻撃精度を高めるのが狙いだ。

 自衛目的で敵のミサイル発射基地などを破壊する「反撃能力」の保有を想定し、陸自の「12式地対艦誘導弾」を改良した長射程巡航ミサイルの早期配備と量産開始も目指す。

「政治」の最新ニュース
スクラップは会員限定です

使い方
「政治」の最新記事一覧
記事に関する報告
3277374 0 政治 2022/08/23 05:00:00 2022/08/23 07:35:53 2022/08/23 07:35:53 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/08/20220822-OYT1I50157-T.jpg?type=thumbnail

主要ニュース

セレクション

読売新聞購読申し込みキャンペーン

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)