岸井ゆきの「お別れホスピタル」で看護師役、高校時代に憧れた仕事は?

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

お別れホスピタル(NHK) 土曜午後10:00
辺見(岸井ゆきの)は、余命わずかな患者や認知症患者らが入院する療養病棟の看護師。医師・広野(松山ケンイチ)らとともに、患者に振り回され、家族のもめごとにも巻き込まれる。原作は沖田 ×華ばっか の同名漫画。

浜野謙太「街並み照らすヤツら」でくせ強のキーパーソン演じる
岸井ゆきのさん
岸井ゆきのさん

じっくり考え、しっかり気持ちを伝える人だ。

治る見込みのない療養病棟の患者たちを見守り、見送る看護師の辺見役。「死」と隣り合わせの病棟は、だからこそ「生」の濃厚な気配が漂う。「悲しいとかうれしいとか、一個の感情では表現できない時間がある。それらが層になり、折り重なって、蛇腹になっているんです」と話す。亡くなるのは悲しいが、病棟でのほほえましいエピソードも思い出す。「患者役の皆さんがそれを体現しているので、辺見としてそのまま受け取っています」

認知症が進んで抑圧してきた感情があふれ出す人もいれば、最後まで家族に厳しくあたる人、残された命のことを考える人もいる。「家族や仕事、愛情も全部、自分で選んできた。選択したことは変えられないけれど、その意味は変えられると思う」

例えば親との関係がこじれた時期があっても、その後に双方の距離が近づけば、そんな時間も必要だったとなるかもしれない。「どんな最期でも、これで良かったと、自分で意味を見つけることができる。選択を受け入れられると思う」。祈るように語った。

映画「ケイコ 目を澄ませて」では聴覚障害のボクサー、ドラマ「恋せぬふたり」では他者に恋愛感情を抱かない主人公。複雑な事情を抱えた人物、難しい役を 真摯しんし に演じてきたようにも思える。しかし「どんな人でも複雑で、層がたくさんあるはずだから、一筋縄でいく人はいない。ただそれが見えていないだけ。私自身もそう。だから、『この役、難しいな』というのはあまりないです」。

看護師も俳優も同じ、人間と向き合っている。

自分がいない世界が好き

Q.リラックス法は。

A.映画館に行くのと本を読むこと、それにジムです。映画は仕事を離れ、純粋に楽しみます。自分がいない世界が好きで、だから洋画。生活や環境などを丁寧に描いている作品が好みです。

Q.俳優と違う仕事をしたいと思ったことはありますか。

A.高校生の頃、コーヒー屋さんで働きたいと思っていました。お店でコーヒーを出すだけでなく、海外に出かけ、豆の買い付けから手がけたらかっこいいですよね。

(文・読売新聞文化部 大木隆士/写真・帖地洸平)

プロフィル
岸井 ゆきの( きしい・ゆきの
1992年2月11日生まれ。神奈川県出身。映画「愛がなんだ」で注目され、「ケイコ 目を澄ませて」では、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。「日曜の夜ぐらいは...」(テレビ朝日系)などドラマ出演も多数。
スクラップは会員限定です

使い方
「大手小町」の最新記事一覧
記事に関する報告
5009646 0 大手小町 2024/02/11 06:00:00 2024/02/11 06:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2024/02/20240205-OYT8I50063-T.jpg?type=thumbnail

主要ニュース

セレクション

読売新聞購読申し込みキャンペーン

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)